“古創”の読み方と例文
読み方割合
ふるきず100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
フム此家ここだな。と門前にたたずみたるは、倉瀬泰助という当時屈指の探偵なり。色白くまなこすずしく、左の頬に三日月なり古創ふるきずあり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と神尾が、こうと言われて何となく胸をされるように思いました。ここで突然、駒井の名を聞くことは甘ったるいことではない。忘れていた古創ふるきずが不意に痛み出して来たような思いで
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
彼はえきってしまった古創ふるきずあとに触わられるような、心持ち痛痒いたがゆいような感じで、すっかりちまたの女になりきってしまって、悪くぶくぶくしている彼女の体を引っ張っているのが物憂ものうかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)