“ふるきず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
古疵43.8%
古傷21.9%
古創15.6%
旧傷6.3%
古瘡3.1%
旧疵3.1%
古瑕3.1%
舊疵3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
魚でもさけますと大きなやまめ渓間たにまの鯉は蛇を食べますから鮭や鱒を食べると三年過ぎた古疵ふるきずが再発すると申す位で腫物や疵には大毒です。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
かれも、それをいわれることは、古傷ふるきずにさわられるような気持がすると見えて、舌打ちをしながら、お米の側へ来て坐った。するとお米は、「あら……」と、後ろへ手をついて
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と神尾が、こうと言われて何となく胸をされるように思いました。ここで突然、駒井の名を聞くことは甘ったるいことではない。忘れていた古創ふるきずが不意に痛み出して来たような思いで
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
病人を一人遣る訳にもいきませんから、わたくしちいさい時怪我をした背中の旧傷ふるきずが暑さ寒さに悩みますので、一緒に行ってついでに湯治をして来ようと思いますので、お急ぎではどうも
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今度は権三の額、古瘡ふるきずのあたりを発止はっしと打ちました。言うまでもなく銭形の平次得意の投げ銭です。
元は武家出というだけに、こんななりが身に付いて、額の古瘡ふるきずも何となく凄味があります。
あゝ不器用長二かというように名高くなりまして、諸方からおびたゞしく注文がまいりますが、手伝の兼松は足のきずで悩み、自分も此の頃の寒気のため背中の旧疵ふるきずいた
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
長「己のは左様じゃアねえ、子供の時分の旧疵ふるきずだ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
領分は変り、国境くにざかいは違っているのだけれども、いったん生梟いきざらしにまでかけられた自分の古瑕ふるきずが、不必要なところであばかれた日には気がかねえやな。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
流し詫入わびいるていこそ笑止せうしけれ長庵は忠兵衞を尻目しりめにかけだまれ忠兵衞いらざるなんぢ噪々おしやべりより我が舊疵ふるきず
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)