“不言”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふげん50.0%
いわざる16.7%
いわず16.7%
ものいわず16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
不言ふげんの言、非思料ひしれうの思料などとは瓢箪なまづ的の胡麻化しで、老子の態度もさうであつた。現代では、メテルリンクの態度もさうだ。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
『嬉遊笑覧』に『遠碧軒随筆』を引いて、庚申の三猿はもと天台大師三大部の中、止観しかんの空仮中の三諦を、不見みざる不聴きかざる不言いわざるに比したるを猿に表して伝教大師でんぎょうだいし三猿をはじめたという。
日夜悪念去らず、妄執に繋縛けいばくさるる者の企て及ぶべからざる、いわゆる不言いわずして名教中の楽土に安心し得る者なり。無用のことのようで、風景ほど実に人世に有用なるものは少なしと知るべし。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
狐床の火の玉小僧、馬琴の所謂いわゆる、きはだをめたるおうしのごとく、喟然きぜんとして不言ものいわず。ちょうど車夫が唐縮緬の風呂敷包を持って来たから、黙って引手繰るように取った。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)