“喟然”の読み方と例文
読み方割合
きぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一度、しかとしめてこまぬいた腕をほどいて、やや震える手さきを、小鬢こびんそっと触れると、喟然きぜんとしておもてを暗うしたのであった。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
僕はカッフェーの卓子にって目には当世婦女の風俗を観、心には前代名家の文章を想い起すや、喟然きぜんとしてわが文藻の乏しきを悲しまなければならない。
申訳 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
後水戸学の宿儒しゅくじゅ会沢あいざわ、豊田の諸氏に接し、その談論を聞き、喟然きぜんとして嘆じて曰く、「皇国に生れ、皇国の皇国たる所以を知らず、何を以て天地の間に立たん」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)