“かたすみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
片隅95.2%
一隅4.0%
片角0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は義兄に見舞を云おうと思って隣室へ行くと、壁のち、柱の歪んだ部屋の片隅かたすみに小さな蚊帳がられて、そこに彼は寝ていた。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
マデレンのくろずんだ巨大な寺院じいんを背景として一日中自動車の洪水こうずい渦巻うずまいているプラス・ド・マデレンの一隅かたすみにクラシックな品位を保ってつつましく存在するレストラン・ラルウ
異国食餌抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
名状し難い苦々にがにがしい忌わしい空気が、二人を囚えた。彼は引きつらした口の片角かたすみをびくびく震わした。彼女は眼を大きく見開いて、輝きの失せた瞳をぼんやり空間に定めた。
二つの途 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)