片角かたすみ)” の例文
名状し難い苦々にがにがしい忌わしい空気が、二人を囚えた。彼は引きつらした口の片角かたすみをびくびく震わした。彼女は眼を大きく見開いて、輝きの失せた瞳をぼんやり空間に定めた。
二つの途 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)