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一隅
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かたすみ
ふりがな文庫
“
一隅
(
かたすみ
)” の例文
暗いからわからぬが、何か釜らしいものが戸外の
一隅
(
かたすみ
)
にあって、
薪
(
まき
)
の
余燼
(
もえさし
)
が赤く見えた。薄い煙が提燈を
掠
(
かす
)
めて淡く靡いている。
一兵卒
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
マデレンのくろずんだ巨大な
寺院
(
じいん
)
を背景として一日中自動車の
洪水
(
こうずい
)
が
渦巻
(
うずま
)
いているプラス・ド・マデレンの
一隅
(
かたすみ
)
にクラシックな品位を保って
慎
(
つつ
)
ましく存在するレストラン・ラルウ
異国食餌抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
一隅
(
かたすみ
)
には行き倒れや乞食の死んだのを埋葬したところもあった。清三は時には
好奇
(
ものずき
)
に碑の文などを読んでみることがある。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
二階は十二畳敷
二間
(
ふたま
)
で、
階段
(
はしご
)
を上つたところの一間の右の
一隅
(
かたすみ
)
には、
欅
(
けやき
)
の
眩々
(
てら/\
)
した長火鉢が据ゑられてあつて、鉄の五徳に南部の
錆
(
さ
)
びた
鉄瓶
(
てつびん
)
が
二箇
(
ふたつ
)
懸
(
かゝ
)
つて
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
オルガンが講堂の
一隅
(
かたすみ
)
に
塵埃
(
ちり
)
に白くなって置かれてあった。何か久しぶりで鳴らしてみようと思ったが、ただ思っただけで、手をくだす気になれなかった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
テニスコートの線があきらかに残っていて、宿直室の長い縁側の隅にラケットやボールや
網
(
ネット
)
が置いてあるのが見える。庭の
一隅
(
かたすみ
)
には教授用の草木が植えられてあった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
そして次の間へ行こうとしたのを、無理に
洋燈
(
ランプ
)
の明るい
眩
(
まぶ
)
しい居間の
一隅
(
かたすみ
)
に坐らせた。美しい姿、当世流の
庇髪
(
ひさしがみ
)
、派手なネルにオリイヴ色の夏帯を形よく
緊
(
し
)
めて、少し
斜
(
はす
)
に坐った艶やかさ。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
すぐ前の低いところの
一隅
(
かたすみ
)
に一つ。後に一つ。右に一つ。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
“一隅”の意味
《名詞》
片側の隅。片隅。
ある見解や考え方
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
隅
常用漢字
中学
部首:⾩
12画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥