“滾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こぼ71.3%
たぎ17.5%
まろ3.8%
ころが2.5%
まろが1.3%
ころ1.3%
なが1.3%
はし1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
心の中では男泣きに涙をこぼして居りますが、私はそれと反対で日々夜々何一つの不安をも感ぜず、喜ばるるばかりでございます。
ある抗議書 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
どうもいかぬ、唯ちらちらする蘭引のたぎる音につれて、火蛇ひへびの精の嘲笑せゝらわらひが聞えるばかり。彼はわが冥想を亂さうとして戯弄するのか。
錬金道士 (旧字旧仮名) / ルイ・ベルトラン(著)
お母さんが慰めるやうな調子でかう云ふと美津子は何と答へていゝか解らなくなつてしまつて——と、見る間に涙がほろほろと頬をまろび落ちて来ました。
お父さんのお寝坊 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
石片又は熔巖の塊ありて、歩ごとにころがり落つるが故に、たてに列びて登るに由なし。我等は雙脚に鉛を懸けたる如く、一歩を進みては又一歩を退き、只だ一つところに在るやうに覺えたり。
水牛の背にも、昆蟲あつまりて寸膚を止めねば、時々怒りて自らテヱエルの黄なる流に躍り入り、身を水底にまろがしてこれをはらひたり。
あ、いた! さう強くくから毎々球がころげ出すのだ。風早の球はあらいから癇癪玉かんしやくだまと謂ふのだし、遊佐のは馬鹿にやはらかいから蒟蒻玉こんにやくだま。それで、二人の撞くところは電公かみなり蚊帳かや捫択もんちやくしてゐるやうなものだ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
岸の牧場にあふれるばかりにながれ落ちる水は、いかにもたった今氷河から融けて来たと思われる、底濁りのある蒼色で、その重々しい様子が、キンバイの咲き乱れた鮮やかな川岸の草原と
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
高く昇る水は夢の如く白く、はしり飛ぶ水滴は叙情詩の砕けたる霊魂のやうに紫の街灯の影を宿して、さやさやと悲しく池の面を滑つてゐた。
市街を散歩する人の心持 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)