東都あずま)” の例文
四五日過ぎて清吉は八五郎に送られ、箱根の温泉いでゆを志して江戸を出でしが、それよりたどる東海道いたるは京か大阪の、夢はいつでも東都あずまなるべし。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
酒で崩して、賭博ばくちを積み、いかさまの目ばかりった、おのの名の旅双六たびすごろく、花の東都あずま夜遁よにげして、神奈川宿のはずれから、早や旅銭なしの食いつめもの、旅から旅をうろつくこと既にして三年ごし
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)