“吾妻下駄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あずまげた82.4%
あづまげた17.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
返事をきくと、お糸はそれですっかり安心したものの如くすたすた路地の溝板どぶいた吾妻下駄あずまげたに踏みならし振返りもせずに行ってしまった。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
女は、しどろな言葉で挨拶あいさつして、来た時の勢いとは、くらべものにならないしょげかたで、どぶ板に、吾妻下駄あずまげたの音を残して帰っていった。
返事をきくと、おいとれですつかり安心したものゝごとくすた/\路地ろぢ溝板どぶいた吾妻下駄あづまげたに踏みならし振返ふりかへりもせずに行つてしまつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
そのがけ下の民家からは炊煙が夕靄ゆうもやと一緒になって海のほうにたなびいていた。波打ちぎわの砂はいいほどに湿って葉子の吾妻下駄あづまげたの歯を吸った。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)