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晷
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かげ
ふりがな文庫
“
晷
(
かげ
)” の例文
何かしら薄ら寒いが、いい
凪
(
なぎ
)
である。明るいようでも
晷
(
かげ
)
りやすい日射し、照ってもまた光り耀かぬ黒い波濤の連続、見れば見るほど大きな深いうねりである。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
もう日も
晷
(
かげ
)
つた山蔭の溪ばたの風を恐れながらも着物を脱いで石の上に置き、ひつそりと清らかなその湯の中へうち浸つた。一寸立つて手を延ばせば溪の瀬に指が屆くのである。
みなかみ紀行
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
もう日も
晷
(
かげ
)
った山蔭の渓ばたの風を恐れながらも着物を脱いで石の上に置き、ひっそりと清らかなその湯の中へうち浸った。一寸立って手を延ばせば渓の瀬に指が届くのである。
みなかみ紀行
(新字新仮名)
/
若山牧水
(著)
すでに
晷
(
かげ
)
りそめたる夕日は彼の男の描けるサンシユユの黄なる枝の花に、そを見る歯痛の人の顔一面に巻きつけたる白き繃帯に、わがむく蜜柑の皮の
黄橙色
(
オレンヂいろ
)
にさみしく光りつつあり。
春の暗示
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そうして休憩所の前に著いた頃には、もうそろそろ日の光も黄色く
晷
(
かげ
)
り初めていた。風も出て来た。こうして敷香の夏の一日も、雲がまた薄く低迷して、うそ寒く、寒く暮れてしまうのである。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
湿りたる土の
香
(
か
)
のさみしさに
晷
(
かげ
)
りつつうち
凋
(
しを
)
る。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
晷
(
かげ
)
りゆく日のあゆみたまゆらに
明
(
あか
)
ると見つつ
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
過ぎし日のやるせなき思ひ出はまた
晷
(
かげ
)
りゆく。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
大きく大きくうねつてゐるのだ、
晷
(
かげ
)
つて。
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
晷
部首:⽇
12画
“晷”を含む語句
日晷
晷影台
晷景
笑語晷