“しお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
27.7%
15.0%
12.7%
10.5%
9.3%
機会7.1%
5.9%
5.7%
1.1%
仕了0.4%
(他:26)4.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その枕元にはしおれた秋草の花束と、二三冊の絵本と、明日あすのおめざらしい西洋菓子が二つ、白紙に包んで置いてあった。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
吾平爺がその翌日、警察から釈放されてきたときには、荷車の上の野菜は残暑のかれてすっかりしおれていた。
或る嬰児殺しの動機 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「まあしおの悪い時にこんな事をいうもんですから、痛い腹まで探られますわね……じゃ興録さん後ほどていただけて?」
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「そうだ。いつか折があったらと思い思い、いいしおもなく過ぎていたが、又さん、おまえ今日は、あきないに行くのかい」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
隆夫のたましいは、久しぶりにひろびろとした海を見、しおのにおいをかいで、すっかりうれしくなり、いつまでも眺めていた。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
帆綱の影、しおじみた欄干てすりの明り、甲板の板の目、かんのきしり、白い飛沫しぶき、浅葱いろの潮漚しおなわ
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
そしてまた、昨夜の押しかけ聟——すなわち頭目の弟分の周通は、しおれ返って、そのそばで首うなだれている始末ではないか。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……けれども、虹には目がないから、わたしの姿が見つからないので、かしらを水に浸して、うなだれしおれて居る。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わしは檣頭マストヘッドからしおいている鯨のやつらをちゃんと見たのだから、君がいかにかぶりを横にふっても
……しおの松の枝ぶり一つにも杖を留めようとする風流人には、此奴こいつあてつけに意地の悪いほど、とっとっとく。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いかにのん気な老中以下の役人どもとて、大凡おおよそ、浜川たちのして来たことに、気がついているらしく、これを機会しお
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
と、それを機会しおに、弥生はそこそこに戸口に出て、女と女の長い挨拶ののちに、露地をゆく跫音あしおとがやがて消え去った。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その話というのは、オダイシ様はたくさんある子供に粥をこしらえて食べさせようとしたが、貧乏なためにしおが買えなかった。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
山男は腰かけるとこんどは黄金色きんいろの目玉をえてじっとパンやしおやバターを見つめ〔以下原稿一枚?なし〕
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
築山の草はことごとく金糸線綉墩きんしせんしゅうとんぞくばかりだから、この頃のうそさむにもしおれていない。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
而して其小さな墓石の前に、真裸の友達とかわる/″\ひざまずいて、しおれた月見草の花を折って、墓前の砂にした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
従って淡路守の寵愛もひとしおで、掌中の珠と言おうか、かんざしの花と言おうか、言葉も形容も絶した扱い振りです。
文句はプツリと切れて居りますが、それけに凄味はしおで、千種十次郎も何んとなく背筋に冷たいものの走るのを感じます。
笑う悪魔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「あんなふるいものは見殺しにするほどの度胸がなければ、新しいものを創生する大業は仕了しおわせられるものではない。」
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「ははは。十年も費やしては、世が変ってしまう。秀吉も老いてしまう。……城内の細部、調度装飾をも、悉皆しっかい、三年で仕了しおわせよと、命じてある」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あれ! あれが仕置しおだ」という泰軒の声。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
こんなお仕置しおきはできますまいもの
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その辺は大目に、いえ、お耳にお聞溢ききこぼしを願いまして、お雪は面映気おもはゆげに、且つしおらしく手をつかえ、
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しおらしいその言い草、望みに任せて孔雀明王の血祭りとしてくりょうッ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小畑が送ってくれた丘博士訳おかはかせやくの進化論講話が机の上に置かれて、その中ごろにすみれの花が枝折しおりの代わりにはさまれてあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
四畳半が茶の間で、それが玄関のあがり口にありましたが、親しい訪問客は門を入ると左側の枝折しおりがありましたから、そこから中の六畳に通すことにしていました。
書斎 (新字新仮名) / 辻潤(著)
ジーナが来ている……私にいたくて、泣いている! テラスを飛び降りて、奥庭の柴折しおを突っ切って、どこをどうして門の砂利道まで躍り出たか覚えがありません。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
人気ひとけのないのを見すまして、背戸の柴折しおり戸をあけた。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私はここへ下りた時に、幕府その他の不振な事を考えて、早晩長州勢に攻め込まれて、彼は熟練した多数兵、我は熟練せぬ少数兵であるから、とても防禦は仕終しおおせない。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
こと日間ひるまは昨夜の花があか凋萎しおたれて、如何にも思切りわるくだらりとみきに付いたざまは、見られたものではない。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
きょうは珍しく、書物に親しんでおられる——きょうはまた可憐しおらしく、亡き御先代のために、お仏間にお坐りになった——。などと油断していると、雷の子のように、
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大原家の混雑は知るによしなし、中川家にては大原の去りたる後広海子爵が他人のおらぬを好機しおとして主人を対手あいてに結婚問題の研究を始めたり。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
やがて潮が動き出せば浮子は沈子おもりが重ければ水にしおられて流れて沈んでしまうし、沈子が軽ければ水と共に流れてしまうであろう。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
仕方がないから王宮の後園へ歩み入り、修行して王女の細滑を忘れ切り、神足を恢復せんとしたが、ここは御庭先のしおり門、戸を立てるにも立てられぬ。
そこへ突如として、九年後の今になって、昨夜ナターリヤ・ヴァシーリエヴナの訃報を耳にしたのを機會しおに、再びあの當時のことが俄かに奇怪な色彩をもって、眼前によみがえってきたのである。
「ところが驚ろくような女なら、殊勝しおらしいんだが、驚ろくどころじゃねえ」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さて、その三人の幕末の残り者が縁近くに碁盤を据えると、汐潮しおがあげてきて、鼻のさきをいせいのいい押送りの、八丁の白帆が通ろうと、相生橋にお盆のような月がのぼろうと、お互がいやがらせをいいながら無中になっている。
十二の彼女の海水しおきぶりには及ぶものがなかったほど、終日を働きくらした。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
紫とっても、あかねと謂っても皆、昔の様な、染め漿しお処置とりあつかいはせなくなった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
段々にかう気が鬱してまゐりまして、自分が悪人で人が自分を掴まへて為置しおきにでもいたさうとして、網を張つてゐるやうな心持になりまして、此二三年といふものは、気抜けがしたやうに、ぶら/\してゐましたのでございます。そしてとう/\あんな風になりまして。
板ばさみ (新字旧仮名) / オイゲン・チリコフ(著)
いへえてしまひまする。父樣おとつさんいおかたで、それきりあとえるやうなわること爲置しおかれたかたではありませんから
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
常陸真壁郡紫尾しお村大字酒寄さかより字間々田
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
内玄関もあれば、車寄せの大玄関もある幽邃ゆうすいな庭園が紫折しおの向うに、広々と開けている。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
人にも我にも行衞知れざる戀の夢路をば、瀧口何處のはてまで辿りけん、夕とも言はず、曉とも言はず、屋敷を出でて行先は己れならで知る人もなく、只〻門出かどでの勢ひに引きかへて、戻足もどりあしの打ちしおれたる樣、さすがに遠路のつかれとも思はれず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)