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入
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しお
ふりがな文庫
“
入
(
しお
)” の例文
文句はプツリと切れて居りますが、それ
丈
(
だ
)
けに凄味は
一
(
ひ
)
と
入
(
しお
)
で、千種十次郎も何んとなく背筋に冷たいものの走るのを感じます。
笑う悪魔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
却って後になって
一
(
ひ
)
と
入
(
しお
)
まざまざと眼の前に浮かび、その唇や足の線を伝わって次第に空想をひろげて行くと、不思議や実際には見えなかった部分までも
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
眺望の広大さまでがその寂蓼の感じを一
入
(
しお
)
増した。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
従って淡路守の寵愛もひと
入
(
しお
)
で、掌中の珠と言おうか、
簪
(
かんざし
)
の花と言おうか、言葉も形容も絶した扱い振りです。
奇談クラブ〔戦後版〕:06 夢幻の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
第四日は五色温泉を経て
三
(
さん
)
の
公
(
こ
)
の峡谷を探り、もし行けたらば
八幡平
(
はちまんだいら
)
、
隠
(
かく
)
し
平
(
だいら
)
までも見届けて、
木樵
(
きこ
)
りの小屋にでも
泊
(
と
)
めて
貰
(
もら
)
うか、
入
(
しお
)
の
波
(
は
)
まで出て来て泊まる。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
妻は強気でいるようなものの、そのひた向きな感情の裏には一と
入
(
しお
)
脆
(
もろ
)
い弱気が心の根を
喰
(
く
)
っていて、ほんのちょっとした物のはずみに泣きくずおれてしまいそうに思える。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
けれども私の心配なのは、あの強情な、
殊
(
こと
)
に私に対しては
一
(
ひ
)
と
入
(
しお
)
強硬になりたがる彼女が、仮に証拠を突きつけたとしても、そう
易々
(
やすやす
)
と私に頭を下げるだろうかと云うことでした。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
川上の荘の
口碑
(
こうひ
)
を集めたある書物によると、南朝の遺臣等は一時北朝方の
襲撃
(
しゅうげき
)
を
恐
(
おそ
)
れて、今の大台ヶ原山の
麓
(
ふもと
)
の
入
(
しお
)
の
波
(
は
)
から、伊勢の国境大杉谷の方へ
這入
(
はい
)
った
人跡稀
(
じんせきまれ
)
な行き留まりの山奥
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そう云って子供にせがまれると、
一
(
ひ
)
と
入
(
しお
)
不便さが増して来て、親としての腑がいなさがつく/″\と胸に沁みた。その上に又、彼は父親に死に後れた一人の老母をも養わなければならなかった。
小さな王国
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その六
入
(
しお
)
の
波
(
は
)
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
“入”を含む語句
這入
出入
入来
入用
入交
入替
収入
嫁入
入込
入牢
入費
混入
絶入
恐入
被入
侵入
御入来
入口
煙草入
押入
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