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絶入
読み方 | 割合 |
たえい | 45.5% |
ぜつじゅ | 9.1% |
ぜつじゆ | 9.1% |
ぜつにゆう | 9.1% |
たえいり | 9.1% |
たえいる | 9.1% |
たへい | 9.1% |
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実に
匂も
零るるやうにして彼は
浪に漂ひし人の今
打揚げられたるも
現ならず、ほとほと
力竭きて
絶入らんとするが如く、
止だ
手枕に横顔を支へて、力無き
眼を
瞪れり。
天に捧げし
掌、——
絶入の
悶え。
躬も
終に及ばずして
此処に
絶入せんと思へば、貫一は今に当りて
纔に声を揚ぐるの
術を余すのみ。
そのまゝ
御機によりて
織んとしけるに、
倏急仰向に
倒れ
落、
血を
吐て
絶入けり。
極めし此九助
皆是迄の約束
事コリヤお節是が一
生の別れぞと聞てお節は殊さらに
絶入ばかりに泣伏を
決闘の負傷に
由て
絶入る迄の
昂張した最後の一幕の
長台詞を
斯くまで醇化して
森厳の気に満ち、一秒の
隙も
有らせず演じる名優は仏国に
二人と見
出し難いと思つた。