絶入たえい)” の例文
にほひこぼるるやうにして彼はなみに漂ひし人の今打揚うちあげられたるもうつつならず、ほとほと力竭ちからつきて絶入たえいらんとするが如く、手枕てまくらに横顔を支へて、力無きまなこみはれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そして、絶入たえいるばかりの息の下から、「平田、平田」と細い声で口走った。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そ、早う……あ……もう、絶入たえいるばかりじゃ。そ来てたもれ」
怪異黒姫おろし (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
弟は絶入たえいるばかり。
蠅を憎む記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
われは絶入たえいらむと。