“手枕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てまくら51.7%
たまくら48.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あたいだッて、たましいはあらア、ね」吉弥は僕のひざに来て、その上に手枕てまくらをして、「あたいの一番好きな人」と、僕の顔を仰向けに見あげた。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
うちへ帰ると細君は奥の六畳に手枕てまくらをしたなりていた。健三はそのそばに散らばっている赤い片端きれはしだの物指ものさしだの針箱だのを見て、またかという顔をした。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夜更よふけ過ぎの飮食に胃の不健全が手傳つて、何か知ら覺めたのちには思ひ出せない夢を、戀人の手枕たまくらに見て驚くのもこんな場合が多い。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
「わが殿にも、いまのまに少しなと、うとうと手枕たまくらでもしておかれねば、お疲れがえますまいに」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)