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てまくら
ふりがな文庫
“
手枕
(
てまくら
)” の例文
「あたいだッて、たましいはあらア、ね」吉弥は僕の
膝
(
ひざ
)
に来て、その上に
手枕
(
てまくら
)
をして、「あたいの一番好きな人」と、僕の顔を仰向けに見あげた。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
家
(
うち
)
へ帰ると細君は奥の六畳に
手枕
(
てまくら
)
をしたなり
寐
(
ね
)
ていた。健三はその
傍
(
そば
)
に散らばっている赤い
片端
(
きれはし
)
だの
物指
(
ものさし
)
だの針箱だのを見て、またかという顔をした。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
木津屋の一間で、七兵衛は
手枕
(
てまくら
)
で横になり、朋輩衆と嵐山の方へ行ったというお松の帰りを待っています。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ゴロリ
手枕
(
てまくら
)
、
壁
(
かべ
)
に貼った十七人の名前を見上げて、つぎの犠牲者とその
襲撃法
(
しゅうげきほう
)
でも考えているところだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
実
(
げ
)
に
匂
(
にほひ
)
も
零
(
こぼ
)
るるやうにして彼は
浪
(
なみ
)
に漂ひし人の今
打揚
(
うちあ
)
げられたるも
現
(
うつつ
)
ならず、ほとほと
力竭
(
ちからつ
)
きて
絶入
(
たえい
)
らんとするが如く、
止
(
た
)
だ
手枕
(
てまくら
)
に横顔を支へて、力無き
眼
(
まなこ
)
を
瞪
(
みは
)
れり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
『おれなぞは、
鬱々
(
くさくさ
)
すれば、こうして酒をのんで、ごろりと
手枕
(
てまくら
)
になれるから、まだ有難いが……』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後
(
うしろ
)
に置いた腰掛台の上に、一人は
匍匐
(
はらばい
)
になって、
肱
(
ひじ
)
を張って長々と伸び、一人は横ざまに
手枕
(
てまくら
)
して
股引
(
ももひき
)
穿
(
は
)
いた脚を
屈
(
かが
)
めて、
天窓
(
あたま
)
をくッつけ合って大工が寝そべって居る。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おい、栖方の光線、あいつなら落せるかい。」と高田は
手枕
(
てまくら
)
のまま栖方の方を見て云った。一瞬どよめいていた座はしんと静まった。と、高田ははッと我に返って起きあがった。
微笑
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
手枕
(
てまくら
)
をして、
何
(
なに
)
を
考
(
かんが
)
へるともなく、たゞ
此
(
この
)
暗
(
くら
)
く
狹
(
せま
)
い
景色
(
けしき
)
を
眺
(
なが
)
めてゐた。すると
御米
(
およね
)
と
清
(
きよ
)
が
臺所
(
だいどころ
)
で
働
(
はたら
)
く
音
(
おと
)
が、
自分
(
じぶん
)
に
關係
(
くわんけい
)
のない
隣
(
となり
)
の
人
(
ひと
)
の
活動
(
くわつどう
)
の
如
(
ごと
)
くに
聞
(
きこ
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして、すぐにゴロリと横になって、
手枕
(
てまくら
)
をかいながら、
生意気
(
なまいき
)
そうな鼻の
穴
(
あな
)
を
宮内
(
くない
)
のほうにむけ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後
(
うしろ
)
に
置
(
お
)
いた
腰掛臺
(
こしかけだい
)
の
上
(
うへ
)
に、
一人
(
ひとり
)
は
匍匐
(
はらばひ
)
になつて、
肱
(
ひぢ
)
を
張
(
は
)
つて
長々
(
なが/\
)
と
伸
(
の
)
び、
一人
(
ひとり
)
は
横
(
よこ
)
ざまに
手枕
(
てまくら
)
して
股引
(
もゝひき
)
穿
(
は
)
いた
脚
(
あし
)
を
屈
(
かゞ
)
めて、
天窓
(
あたま
)
をくツつけ
合
(
あ
)
つて
大工
(
だいく
)
が
寢
(
ね
)
そべつて
居
(
ゐ
)
る。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
どういう
栖方
(
せいほう
)
の空想からか、突然、栖方は
手枕
(
てまくら
)
をして
梶
(
かじ
)
の方を向き返って云った。
微笑
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
毎晩
手枕
(
てまくら
)
の夢をむすんでいる。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
賛五郎はごろりと横になって、世に入れない
欝々
(
うつうつ
)
とした顔を、
手枕
(
てまくら
)
にのせて眼を閉じた。
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、云って、
手枕
(
てまくら
)
で横に寝てしまった。
日本名婦伝:細川ガラシヤ夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
横になって、
手枕
(
てまくら
)
をかいながら
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
枕
常用漢字
中学
部首:⽊
8画
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手枕舎里好