“織”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
65.9%
おり12.1%
オロ5.5%
2.2%
おろ2.2%
はた2.2%
ハタ2.2%
おら1.1%
おる1.1%
おつ1.1%
おりもの1.1%
こまか1.1%
のぼり1.1%
オリ1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
翌朝よくあさきると、すでにづかれたとさとったものか、はたは、のこしのままになって、おんな姿すがたはどこへかえてえなかったのでした。
はまねこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
沖縄は元来そめおりの島といってもよく、実に美しい数々のものを作りましたが、それが無造作に古着として売られているのです。
沖縄の思い出 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
女鳥メトリの わがおほきみのオロす機。ねろかも——、御存じ及びでおざりませうなう。昔、かう、機殿ハタドノの牕からのぞきこうで、問はれたお方樣がおざりましたつけ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
衣服の原料 石器時代の土器の中には表面にものし付けたるあと有るものあり。織り物には精粗せいその別あれど最も精巧せいこうなるは五分四方に、たて、ぬき共に十八あり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
女鳥めとりの わがおおきみのおろす機。ねろかも——、御存じ及びでおざりましょうのう。昔、こう、機殿のまどからのぞきこうで、問われたお方様がおざりましたっけ。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
が、もしこの一家が百本の桑を植え、十三歳以上の女七人の手によって養蚕し糸を紡ぎはたを織ったならば、年の絹布産額は恐らくこの数倍に達するであろう。のみならず調はこの絹布に限らない。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
其秀起カノホダたる浪の穂の上に、八尋殿てゝ、手玉タダマもゆらにハタ少女ヲトメは、是誰が女子ムスメぞ。」答へて曰はく、「大山祇神の女等、は磐長姫とナノり、オトは、木華開耶姫とナノる。」……(日本紀一書)
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
およそ織物おりもの専業せんげふとする所にては、織人はたおりかゝへおきておらするを利とす。ちゞみにおいてはべつき一国の名産なれども、織婦はたおりをんなかゝへおきておらする家なし。
これらの事につき熟思つら/\おもふに、きぬおるにはかひこいとゆゑ阳熱やうねつこのみぬのを織にはあさの糸ゆゑ阴冷いんれいこのむ。さてきぬは寒に用ひてあたゝかならしめ、布はしよに用てひやゝかならしむ。
娘のうたを歌ひながら一心にはたおつて居る小屋など、一つ/\あらはれるのを段々先へ先へと歩いて行くと、高低さだまらざる石の多い路の凹処くぼみには、水が丸で洪水こうずゐ退いた跡でもあるかのやうに満ち渡つて
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
おりものが大部盛に行われる。織機はその主要点に於て我国のと大差ないが、紡車いとぐるまを我々と逆に廻すところに反対に事をする一例がある。
その様な時には、平生は柔しげな微笑の下に巧みにかくされてゐるこまかい幾条かの皺が、思ひがけなくはつきりと夫人の額に浮び出ることさへあつた。
水と砂 (新字旧仮名) / 神西清(著)
凶作でも無い限りは、早くから用意をして、家々では鯖の鮓をしこみ、甘酒の香が到る処にたゞよひ、子供は飽きるほど物を食べて、静かに大のぼりの秋風にはためく音を聴いた。
祭のさまざま (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
オリに通じて、後世、何織・織何といふ名が多い。扇をり・小萩などは、其俤を見せてゐる。織女の聯想ではない。よをりのをりも、折り伏して、齢を奉る義か。たよは膕のよで、よを折つての義だ。