“こまか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コマカ
語句割合
82.5%
4.4%
微細2.5%
細密1.3%
仔細1.3%
1.3%
巨細1.3%
0.6%
0.6%
精密0.6%
0.6%
緻密0.6%
繊細0.6%
0.6%
0.6%
詳細0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とき繰返くりかへすやうだけれども、十圓じふゑんたい剩錢つりせん一錢いつせんなるがゆゑに、九圓九十九錢きうゑんきうじふきうせんわかつたが、またなんだつて、員數ゐんすうこまかきざんだのであらう。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
左近倉平の周囲に引っ切りなしに集まって来ている若い女達で、長いか短いか、こまかいかうすいか、兎も角も左近倉平に関係の無かったという人は、恐らく幾人も無かったでしょう。
蜘蛛の胴体から、脚のように、八本の線が延びているのがそれだ。蜘蛛の周囲を巡って、微細こまかい血痕が、霧のように飛び散っている。張り渡した蜘蛛の網と見れば見られる。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
役人しうつかはしたと申事是は人のうはさなればしかとは申上兼れ共九郎兵衞夫婦の者はなはあやしく存じ候と事細密こまか長々なが/\と申立ければ縫殿頭殿ぬひのかみどのにはシテ其法事を頼に參りし寺の名はなにと申又其事がら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いささか失望を感じながら、廻り止んだ独楽をつまみ上げ、なお仔細こまかく調べてみた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「塩山へかね」と背負籠しよひかごかたはらの石の上に下して、腰を伸しながら、「塩山へは此処からまだ二里と言ひやすだ。あの向ふのでかい山の下にこまかい山が幾箇いくつとなく御座らつせう。その山中やまんなかだアに……」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
きはめて名も新藤市之丞にては不似合ふにあひなれば長兵衞は自身の名の頭字をやつて長八と改めさせおのれは親分になり同町の家主いへぬし治兵衞のたなかり引越ひきこさせ其外萬事長屋の振合迄ふりあひまで巨細こまかに教へつゝまづ世帶を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その落ちるのが余りこまかなので、遠い所の街灯の火がおおわれて見えない。
橋の下 (新字新仮名) / フレデリック・ブウテ(著)
「あれ、降ってるのか」と私は軒下へ退いて、思わず髪をでました。暗くはあるが、低い霧のように灰色に見えるのは、こまかい雪の降るのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
次第に奥様は短気きみじかにも御成なさいました。旦那様は物事が精密こまかすぎて、何事にもこの御気象がいて廻るのですから、奥様はもううるさいという御顔色をなさるのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あの黄ばんだ脂肪の多い質のこまかな艶のあつて舌の触りの誠に善いバナナを栄一は見逃さなかつた。
用意よういをはればたゞちにはしりて、一本榎いつぽんえのきうろより數十條すうじふでうくちなはとらきたり、投込なげこむと同時どうじ緻密こまかなるざるおほひ、うへにはひし大石たいせきき、枯草こさうふすべて、したより爆※ぱツ/\けば
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その渚が——女だ、髪にはどこまでも目が繊細こまかい——雪を透かして
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その様な時には、平生は柔しげな微笑の下に巧みにかくされてゐるこまかい幾条かの皺が、思ひがけなくはつきりと夫人の額に浮び出ることさへあつた。
水と砂 (新字旧仮名) / 神西清(著)
画布トワールの上には薄つすらと絵具が溶かされてゐるのに過ぎない。そして多分そのためなのだらう、画面にこまかく揺れうごくものの影が多くなつてゐるのは。
恢復期 (新字旧仮名) / 神西清(著)
「僕が夢中になるだけ、先方むこう益々ますます冷てしまう。しまいには僕を見るもイヤだという風になったのです。」そして大友は種々と詳細こまか談話はなしをして、自分がどれほどその女から侮辱せられたかを語った。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)