細密こまか)” の例文
殊に自分が呱々ここの声を上げた旧宅の門前を過ぎ、その細密こまかい枝振りの一条ひとすじ一条にまでちゃんと見覚えのある植込うえごみこずえを越して屋敷の屋根を窺い見る時
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
役人しうつかはしたと申事是は人のうはさなればしかとは申上兼れ共九郎兵衞夫婦の者はなはあやしく存じ候と事細密こまか長々なが/\と申立ければ縫殿頭殿ぬひのかみどのにはシテ其法事を頼に參りし寺の名はなにと申又其事がら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
九助の妻に致し度段相談仕つるにより一方ならぬ深きえんと存じ私し養女に致し同人方へつかはせしなりと事細密こまかに申ければ文左衞門は委細ゐさい相別あひわかりたりとて夫よりお節に向ひ其方只今藤八が申通に相違無かと云にお節はハイ相違は御座りませぬと申時文左衞門シテ此度九助が難儀なんぎと云譯は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)