“呱々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ここ90.0%
こゝ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて、璋子は、皇太子顕仁を生んだが、御産殿おんうぶどの几帳きちょうからもれた呱々ここの声にも、天皇のおんまゆには何の御表情もなかったという。
金環蝕は陰の極で、秒後びょうごは陽のはじめというのだから、お前は陰が極まって、陽にうつろうとするときに、呱々ここの声をあげたのだ。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
王政復古の頂言者、文運改革の指導者たる大詩人はかくの如くにして生れたり。呱々こゝ乳をもとむる声、他年変じて社会を呼醒し、人心を驚異せしむる一大喚※くわんけうと変ずべしとは唯天のみ之を知りたりき。
頼襄を論ず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
然るに彼等は呱々こゝの声のうちより既にこの霊性をうしなへるを自識せざる可らざる運命に抱かれてありたり、自然なる願欲は抑へて、不自然なる屈従を学ばざる可らざるタイムの籠に投げられてありたり。
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)