“おつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オツ
語句割合
30.8%
17.9%
14.1%
13.2%
3.8%
和尚1.3%
1.3%
1.3%
1.3%
0.9%
尾津0.9%
御吐0.9%
御注0.9%
0.9%
0.9%
伯父0.4%
住持0.4%
乙者0.4%
乙津0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
御即0.4%
御突0.4%
御継0.4%
御襲0.4%
0.4%
異樣0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
親爺0.4%
0.4%
追付0.4%
遺忘0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
片腕のないところもまたおつでしょうけれど、あの男が片腕をなくしたわけを聞いてしまったらお前さん、三年の恋もめるでしょう。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ぢや、ねいさんは何方どちらすきだとおつしやるの」と、妹は姉の手を引ツ張りながら、かほしかめてうながすを、姉は空の彼方あなた此方こなたながめやりつゝ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
(まあ、をんながこんなお転婆てんばをいたしまして、かはおつこちたらうしませう、川下かはしもながれてましたら、村里むらさとものなんといつてませうね。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
文三はグット視下ろす、昇は視上げる、眼と眼を疾視合にらみあわした、何だかおつ塩梅あんばいで。それでも文三は渋々ながら坐舗ざしき這入はいッて坐に着いた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
始め其外の惡事等までのこらず申立ければ大岡殿能白状致したなほおつて吟味に及ぶと申さるゝに下役したやくの者立ませいとこゑかけやがて願山を退ぞかせけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「まあ、いゝ気な和尚おつさんやわ、御自分ひとりお蒲団にくるまつて。」
「安」と起き上がった文次、「われあおつう隠し立てをするぜ。てめえをまいたお蔦あ俺が突きとめてあらあ。これからばっさり網を打ちに行くんだが、ま、そこの御用帳をおろして来い」
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そんな処へ帰るに当るものかちつともおつかない事は無いからわたしうちに居なさい、みんなも心配する事は無い何のこの子位のもの二人や三人、台所へ板を並べておまんまを喰べさせるに文句が入る物か
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つもりに致しませう最早もはやおつつけ子刻こゝのつなりいざ御休み成れましと女子共に四邊あたり片付かたづけさせければ後藤は何の蛆蟲うじむし同前どうぜん奴輩やつばら某を知らざるやとのゝしりながら胴卷どうまき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たまにはおつしゃくることがあるを花里はひどく辛く思ってふさぐ上にも猶ふさぐ。左様そうされると元々自分に真実つくしている女の心配するんですから、気の毒になって機嫌の一つも取ってやるようになる。
やっと伊勢いせ尾津おつさきという海ばたの、一本まつのところまでおかえりになりますと、この前お行きがけのときに、そのまつの下でお食事をお取りになって、ついわすれていらしった太刀たち
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
奥様はまだ何か言いたそうにして、それを言得ないで、深い歎息ためいき御吐おつきなさるばかりでした。危い絶壁がけの上に立って、谷底でも御覧なさるような目付をなさりながら、左右を見廻して震えました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
どうもなんですな。大分御いそがしい様ですな。先生た余つ程ちがつてますね。——蟻なら種油たねあぶら御注おつぎなさい。さうしてくるしがつて、穴からる所を一々いち/\殺すんです。何ならころしませうか
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おつかねえほど静かぢやねえかよ
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
日輪にちりんまはる、廻る、廻る、おつそろしいほど真赤まつかな太陽が
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「おまはん、そんなこと言ふもんやあらへん。そんな出しや張り言はへんかて、伯父おつさんあんじようして呉れはるよつて、黙つてお居。」
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「こんな田舎の医者なんかあかへん。少しうなつたら京へおなはい。伯父おつさん病院入れて癒したるよつて。」
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
暫くすると、住持おつさんは小僧を呼んだ。小僧は三人居て、三人とも変な歪形いびつな頭を持つてゐたが、呼ばれたので、素直に庫裏に集まつて来た。
小僧の一人が名を呼ぶと、住持おつさんは恐る/\頭を上げた。そしてきよろ/\四辺あたりを見まはしてゐたが、土間に誰一人ゐないのに気がつくと
渠は話児はなしを釣るべき器械なる、渠が特有の「へへえ」と「なるほど」とを用いて、しきりにその顛末てんまつを聞かんとせり。乙者おつも劣らず水を向けたりき。髭ある人の舌本ぜっぽんはようやくやわらぎぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
乙者おつは直ちにこれに応ぜり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
同 西多摩郡小宮村大字乙津おつ字鐘打場
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
これを地に向はしむれば、その行方ゆくへを誤る(あたかも雲より火のおつることあるごとく)ことをうればなり —一三五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それをねたみやアがって小兼めがぎゃア/\云って面倒臭くって成らねえのに、兄貴も彼奴あいつおつに贔屓して、あゝのこうのと云って実に七面倒臭めんどうくせえから兄貴と二ツ三ツ云合った所が
おつきい聲したらあかん。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
それから、十七八から二十はたちそこそこのところは、少し解つて来て、生意気に成りますから、顔の好いのや、扮装なりおつなのなんぞにはあんまり迷ひません。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
おつてちや、国に戻るこつば勧むツとなるばツてん、どうにもかうにも、あツぢや、わざわざ苦労ば重ねぎや行くごたるもんだものね。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
位に御即おつきなさるとか、今朝兄上がおっしゃった。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
便たよりまつ一日ひとひ二日ふたひうれしきやうなづかひな八重やへ遠慮ゑんりよらぬものゝまたすかとおもはるゝもはづかしくじつとこらゆる返事へんじ安否あんぴもしやとおもへば萬一もしやになるなり八重やへ大丈夫だいじやうぶ受合うけあへどそれやすめのことばなるべしふみとても御受取おうけとりになりしやならずや其塲そのばそのま〻御突おつもどしになりたるを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御継おつぎなされて、此の百姓共を救つて下さりまし——
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
願ったりかなったりで、この上もない結構な事でございますが、ただ彼人あれに困りますので。一さんは宗近家を御襲おつぎになる大事な身体でいらっしゃる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おつかなびつくり聴いて見ると
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
マーキュ 白癩びゃくらい、あのやうな變妙來へんめうらいな、異樣おつ氣取きどった口吻ものいひをしをるやつくたばりをれ、陳奮漢ちんぷんかんめ! 「イエスも照覽せうらんあれ、拔群ばっくん劍士けんしでござる! いや、拔群ばっくん丈夫ますらをでござる!」
浮世は結構でございます。皆さん愉快にやりましょう。おつでげすな。大通でげすな。なあァんて事になってしまう。そうやってうたっているうちに、それよこせやれよこせ、洗いざらい持って行かれる。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
娘のうたを歌ひながら一心にはたおつて居る小屋など、一つ/\あらはれるのを段々先へ先へと歩いて行くと、高低さだまらざる石の多い路の凹処くぼみには、水が丸で洪水こうずゐ退いた跡でもあるかのやうに満ち渡つて
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
W・Cへとほりがかりに、うへからおつかぶさるやうにときは、つののあるだけ、青鬼あをおにはうがましだとおもつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
親爺おつさん、もう始めたんか。」
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
ハッと心附こころづいて、また一おつ調子高に
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
綾さんの家は西方町の椎の木界隈のきたない長屋に引込むで、一二年は恩給で喰ツてゐたが、それでは追付おつかなくなツて、阿母さんの智慧で駄菓子屋を始めた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
また宇陀うだ墨坂すみさかの神に、赤色の楯矛たてほこを祭り、また大坂おほさかの神一〇に、墨色の楯矛を祭り、またさか御尾みをの神、かはの神までに、悉に遺忘おつることなく幣帛ぬさまつりたまひき。
たくむ者あり又顏色おどろにして恐ろしなる者も心はまことに竹をわりたる如き善人あり或ひは言葉を巧みに人を罪に落とすもあり又おのれ十分の理を持ながら訥辯とつべんの爲に言伏られて無實むじつつみおつるもあり其善惡そのぜんあく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)