住持おつ)” の例文
暫くすると、住持おつさんは小僧を呼んだ。小僧は三人居て、三人とも変な歪形いびつな頭を持つてゐたが、呼ばれたので、素直に庫裏に集まつて来た。
小僧の一人が名を呼ぶと、住持おつさんは恐る/\頭を上げた。そしてきよろ/\四辺あたりを見まはしてゐたが、土間に誰一人ゐないのに気がつくと
「そやけど、万一嗅ぎつけて米を取りにでも来たら……」と住持おつさんは蟹のやうな赤い顔を撫でまはした。