“同前”の読み方と例文
読み方割合
どうぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「これ、この船中に、一人として虱の恩を蒙らぬ者がござるか。その虱を取つて食ふなどとは、恩を仇でかへすのも同前どうぜんぢや。」
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
後代手本たるべしとて褒美ほうびに「かげろふいさむ花の糸口」というわきして送られたり。平句ひらく同前どうぜん也。歌に景曲は見様みるようていに属すと定家卿ていかきょうものたまふ也。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
られるのなら、せめてこのみなし子同前どうぜんな蔭草をあはれと思つて、身なりだけでも飾らして下さい。今では、化粧品一つ買ふおかねがないのです。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)