御吐おつ)” の例文
『貢さんは矢張やつぱりうそ御吐おつき為さるのね。晃兄さんが入らつしやるのに、留守番だなんて。』
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
奥様はまだ何か言いたそうにして、それを言得ないで、深い歎息ためいき御吐おつきなさるばかりでした。危い絶壁がけの上に立って、谷底でも御覧なさるような目付をなさりながら、左右を見廻して震えました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)