肢体からだ)” の例文
旧字:肢體
お鳥は時々谷川の水鏡を見て、次第に美しくなって行く自分の肢体からだと、山人達や、たまに里から来る人間と自分との間に、恐ろしい差違さしちがいのあることを覚り始めました。
裸身の女仙 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
縄を解き、懐中ふところよりくし取りいだして乱れ髪けと渡しながら冷えこおりたる肢体からだを痛ましく、思わず緊接しっかりいだき寄せて、さぞや柱に脊中がと片手にするを、女あきれて兎角とかくことばはなく
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)