“都門”の読み方と例文
読み方割合
ともん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つい先頃まで、禁軍八十万の師範役をしていたものですが、新任大将軍高俅こうきゅうと折合いのつかぬことがあって、無断で都門ともんを逃亡し、いわば天下のお尋ね者の身の上です。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
都門ともんの劇場に拙劣なる翻訳劇出づるや、朋党ほうとう相結あいむすんで直ちにこれを以て新しき芸術の出現と叫び、官営の美術展覧場にいやしき画工ら虚名のしのぎを削れば、猜疑さいぎ嫉妬しっとの俗論轟々ごうごうとして沸くが如き時
浮世絵の鑑賞 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
らいてうさま、あなたのお健康からだは、都門ともんを離れたお住居すまいを、よぎなくしたでございましょうが、激しい御理想に対してその欲求おのぞみが、時折何ものも焼尽やきつくす火のように燃え上るおりがございましょう。
平塚明子(らいてう) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)