體躯からだ)” の例文
新字:体躯
勘次かんじきはめてせま周圍しうゐいうしてる。しかかれせたちひさな體躯からだは、せま周圍しうゐ反撥はんぱつしてるやうな關係くわんけい自然しぜん成立なりたつてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それがぼく出身しゆつしん學校がくかうなのです、四十幾歳いくさい屈強くつきやう體躯からだをした校長かうちやう大島氏おほしましは、四五にん教員けうゐん相手あひてに二百餘人よにん生徒せいと教鞭けふべんつてられます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
深い悦びが、生の悦びが體躯からだ全體に漲つて來る。私の體躯の血潮が有らゆる力を盡して、順潮にめぐつてゐる。
霧の旅 (旧字旧仮名) / 吉江喬松(著)
千登世ちとせははら/\し、彼の體躯からだにつかまつて「およしなさい。そんな無理なことなすつちや取返しがつかなくなりますよ」と言つて、圭一郎をふたゝび寢かせようとした。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
體躯からだだけが醒めてゐて、機械的に漁を續けてゐた、が、心はとき/″\深い眠りにさまよつた。
明け放した受附の室とは別室になつた奧から、横井は大きな體躯からだをのそり/\運んで來て「やあ君か、まああがれ」斯う云つて、彼を二階の廣い風通しの好い室へ案内した。
子をつれて (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
芳の眼色は、急に變つて體躯からだ震動ふるへた。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
體躯からだが落つこちさうになつてこはいのだ
山之口貘詩集 (旧字旧仮名) / 山之口貘(著)
ぐたぐたになつてゐた體躯からだもどつしりと
勘次かんじには主人しゆじんうち愉快ゆくわいはたらくことが出來できた。かれ體躯からだむし矮小こつぶであるが、そのきりつとしまつた筋肉きんにく段々だん/″\仕事しごと上手じやうずにした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
池上權藏いけがみごんざう此日このひからうまかはりました、もとより強健きやうけん體躯からだもつ元氣げんきさかんをとこではありましたが、放蕩はうたう放蕩はうたうかさねて親讓おやゆづり田地でんちほとんえてくなり、いへ屋敷やしきまで人手ひとでわたりかけたので
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
骨が皮をかぶつたやうな體躯からだ
そのおほきな體躯からだすこかきかゝりながら、むねから脚部きやくぶまだらゆきびてた。荒繩あらなはかれけてよこ體躯からだえてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ぐつたりとつかれた體躯からだ