“矮小”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わいしょう75.6%
わいせう7.3%
けち4.9%
ちび2.4%
こつぶ2.4%
こびと2.4%
ずんぐり2.4%
ちいさ2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いやしい汚い矮小わいしょうな人種が、己の同胞であるかと思うと、そうして自分もあんな姿をして居るのかと考えると、己は全くなさけなくなる。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この矮小わいせう若僧じやくそうは、まだ出家しゆつけをしないまへ、たゞの俗人ぞくじんとして此所こゝ修業しゆげふとき七日なのかあひだ結跏けつかしたぎりすこしもうごかなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
寄生木になつて栄えるはきらひぢや、矮小けち下草したぐさになつて枯れもせう大樹おほきを頼まば肥料こやしにもならうが、たゞ寄生木になつて高く止まる奴等を日頃いくらも見ては卑い奴めと心中で蔑視みさげて居たに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
と、老成ませた事を云って、中でも矮小ちびが、鼻まで届きそうな舌を上舐うわなめにべろんとる、こいつが一芸。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勘次かんじには主人しゆじんうち愉快ゆくわいはたらくことが出來できた。かれ體躯からだむし矮小こつぶであるが、そのきりつとしまつた筋肉きんにく段々だん/″\仕事しごと上手じやうずにした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
見るもいぶせき掘立小舎から弓矢を携えて出入りする、かわごろもを着けた極南の矮小こびと民族か、物凄いいれずみをした南海の獰猛どうもうな土人の姿でも御想像なさるかも知れません。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
お花さんは日記帳を取返そうとしてしきりに焦燥あせったが、富田さんは矮小ずんぐりだけれどお花さんよりはせいが高い。それに其度に渡すまいと丈伸をして手を高く揚げるから仕方がない。トウトウ読んで了った。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ちんというやつで、体躯からだつきの矮小ちいさな割に耳の辺からかぶさったような長い房々とした毛が薄暗い廊下では際立って白く見えた。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)