“わいせう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
矮小60.0%
矮少40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは暗いゴチツク建築のなかを辿つてゆくときのやうな、犇々ひし/\とせまつて來る靜寂と孤獨とを眼覺ました。杉の根方には藪柑子やぶかうじ、匂ひのないのぎ蘭、すぎごけ、……數々の矮小わいせうな自然が生えてゐた。
闇への書 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
我は荒漠たる原野に名も知れぬ花をづるの心あれども、園芸の些技さぎにて造詣ざうけいしたる矮少わいせうなる自然の美を、左程にうれしと思ふ情なし。
秋窓雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
而して我徳川時代に於ける平民の位地を観察すること前陳の如くなりとせば、彼等は其「粋」をも、其「侠」をも偏固なる、矮少わいせうなる、むしろ卑下なる理想となしたることも亦、明らかならむ。
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)