“藪柑子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やぶこうじ66.7%
やぶかうじ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
殊に近頃は見越しの松に雪よけの縄がかかったり、玄関の前に敷いた枯れ松葉に藪柑子やぶこうじの実が赤らんだり、一層風流に見えるのだった。
玄鶴山房 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「……寿限無寿限無五こうのすり切れ、海砂利水魚の水行末すいぎょばつ雲来末うんばつ風来末ふうらいばつ、食う寝る所の住む所、やぶら小路藪柑子やぶこうじ……」
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
よく見ると白い寂しい茸が五六本生えてゐて、うすぐもりの日かげが何時いつの間にか疎いひかりとなり、藪柑子やぶかうじのあたまを染めてゐる。
名園の落水 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
龍の髭の紫、千兩、萬兩、藪柑子やぶかうじ、さては南天の白と紅。隱れたところにある庭の隅なぞに、それ等の草木の實を見つけるのはうれしい。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)