妖影ようえい
応接室に入った時、入れ違いに出て行った一人の紳士があった。 「あれは私の従兄なんですよ」 S夫人は手に持っていたノートを私に渡しながら、 「お暇があったら読んでみて頂戴な。あの従兄が書いたんですの」 「文学でもなさる方ですの?」 「否え、商 …
題名が同じ作品
妖影 (新字新仮名)田中貢太郎 (著)