“従兄”のいろいろな読み方と例文
旧字:從兄
読み方割合
いとこ91.4%
にい1.9%
あに1.9%
じゅうけい1.9%
アニ1.0%
イトコ1.0%
カズン1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小田切三也おだぎりさんやの娘真弓まゆみと、その従兄いとこ荒井千代之助あらいちよのすけは、突き詰めた恋心に、身分も場所柄も、人の見る目も考えては居なかったのです。
百唇の譜 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
『そうよ、ユースタス従兄にいさん、』と、笑ったような眼の、鼻がちょっと天井を向いた、十二歳になる利口な少女のプリムロウズが言った。
大袈裟おおげさに斬られて、庭先に転げ落ちたのは丹之丞には遠い従弟で、綾野にはすぐの従兄あにに当る、針目正三郎のあけに染んだ姿だったのです。
甚五郎の行方は久しく知れずにて、とうとう蜂谷の一週忌いっしゅうきも過ぎた。ある日甚五郎の従兄じゅうけい佐橋源太夫げんだゆうが浜松のやかたに出頭して嘆願たんがんした。
佐橋甚五郎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「でもねえ……従兄アニさんのところにゐるけれど、——こりやあなただけに言ふんだから、誰にもスベらせちやあ嫌ですよ。——従兄アニさんは浅い人だからあたし或人の所に行きたいの……」
分らないもの (新字旧仮名) / 中原中也(著)
郎女様のお従兄イトコ恵美の若子ワクゴさまのおハラ様も、当麻真人のおぢやげな——。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
従兄カズンユースタスだって、当然、子供達同様草臥くたびれていた。というのは、この楽しかった午前中に、彼はいろいろと離技はなれわざを演じて見せたのだから。