“稀薄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きはく95.8%
うす4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これほど神経の行きわたった「第五」はないが、トスカニーニのに比べては、現実性が稀薄きはくで、芝居気を感じさせるかも知れない。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
そのうえがゼルズラと呼ばれる流沙地帯なのですが、そこは、上空の空気が非常に稀薄きはくで、よく沙漠地方におこる熱真空ヒート・ヴァキュームができるのです。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
さういふてん世界せかいにとゞくやうな、空気くうき稀薄うすいところでは、あれあれといふもなく、千ねんぐらゐ年月としつきながれてしまふさうだ。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
氏の全身に残っている生命いのちは一努力ごとに弱くなり、一あえごと稀薄うすくなって行った。あたかも室内に籠っている煙がいつの間にか消え失せてしまうように、殆んどあるかないか判らぬ位になってしまった。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)