“死体”のいろいろな読み方と例文
旧字:死體
読み方割合
したい36.4%
しがい27.3%
からだ9.1%
しかばね9.1%
たま9.1%
むくろ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのはなは、のめずりたおれた老人ろうじん死体したいを、わらつておろしているというかたちで、いささかひとをぞつとさせるような妖気ようきただよわしている。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
机のかたわらに押立たは二本だち書函ほんばこ、これには小形の爛缶ランプが載せてある。机の下に差入れたはふちの欠けた火入、これには摺附木すりつけぎ死体しがいよこたわッている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「お雪、何時だろう——そろそろ夜が明けやしないか——今頃は、正太さんの死体からださかんに燃えているかも知れない」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
また豚是は蹄わかるれども反蒭にれはむことをせざれば汝らにはけがれたる者なり、汝ら是等これらの物の肉をくらうべからず、またその死体しかばねさわるべからず。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「常さんがお長屋に居残って死体たまの番、あっしゃあひとまず飛んで帰ったわけだが、親分、すぐにも出向いておくんなせえ。」
「昔あここも戦場だった。土城一面に兵士共の死体むくろがごろごろしとったよ。え、怖ろしいこってねえか、全く、それも甲午乱(日清戦役)のこったけにもう五十年も近うなるだ……」
土城廊 (新字新仮名) / 金史良(著)