“しがい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
死骸73.5%
屍骸16.1%
市街3.6%
仕甲斐2.1%
1.5%
死体0.9%
死屍0.9%
0.6%
四崖0.3%
四階0.3%
(他:1)0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時、耕雲斎は一手の大将に命じ、味方の死骸しがいを改めさせ、その首を打ち落とし、思い思いのところに土深く納めさせた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
朝焼けの揺らめいた川波には坊主頭の死骸しがいが一人、磯臭い水草や五味ごみのからんだ乱杭らんぐいの間に漂っていた。
またほんとうにあなたがたは日本国中至るところに、あなたがたの餌食えじきになった男の屍骸しがいをまき散らしています。
二人小町 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
人間の心臓を勝手に取替えたり、屍骸しがいに息を吹き込んで、また元通り屍骸にしてしまうなぞ、亡霊でなければ、悪魔の仕業だ。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
人形芝居にんぎやうしばゐの硝子越しに、あかい柑子の実が秋の夕日にかがやき、黄色く霞んだ市街しがいの底から河蒸気の笛がきこゆる。)
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
電燈でんとうひかり白晝まひるあざむかんばかりなる市街しがい上陸じやうりくして
草や虫や雲や風景を眼の前へ据えて、ひそかに抑えて来た心を燃えさせる、——ただそのことだけが仕甲斐しがいのあることのようにたかしには思えた。
城のある町にて (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
それは、判任官が高等官になり勅任官になるよりも、もっと仕甲斐しがいのある出世かも知れなかった。
出世 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
と、七郎のしがいが不意に起きあがって、邑宰の首を斬ったが、それが終るとまたたおれた。
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「林児は何ものかに殺されて、しがいが野の中にころがっております。」
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
矢の如く余が耳を突く、余はお一語をも発し得ずだ「あ、あ、あれ、あれ」とどもりつゝくだん死体しがいに指さすのみ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
机の下に差入れたはふちの欠けた火入、これには摺附木すりつけぎ死体しがいよこたわッている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
花園には若い男と自分のむすめが醜い死屍しがいを横たえていた。
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あの娘のことだ、とても死にはせぬ、若し死ぬにしたら人の眼前めさき死屍しがいをつきつけてからでなくては死なぬ、どうしても逃げ出したに相違ない、逃げたとすれば某港の方向だ、女の足ではまだ遠くは行かぬ、それ誰々に追懸けて貰へ、と母は既に半狂亂の態である。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
こうして、谷底へ狩り集められた数百匹の野獣の群は、眼に見えぬ手に殺されて累々たるしがいと変って行った。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
手折った桜の枝が地に落ちていて、花がしがいの辺りに散り敷いているのが、憐れさの風情を添えていた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
四崖しがいは海をたのんで無防禦にひとしい丘である。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正面には四階しがいとも御納戸おなんど色と白とで瀟洒あつさりとした模様が施してある。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
名音は此の調子でゆけば、世話の為甲斐しがいがあると思って喜んだ。
法華僧の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)