“しかい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
斯界34.0%
四海20.0%
死灰18.0%
視界4.0%
四階4.0%
屍灰4.0%
司会2.0%
咨開2.0%
屍解2.0%
志怪2.0%
支解2.0%
此界2.0%
死海2.0%
肢解2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すべて記載されたる年数に近きものたるは勿論もちろんなるべしといへども、斯界しかいの研究者は必ずや見て以てフェノロサが推断の誤謬ごびゅうなきに驚かざるを得ざるべし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
堯典に曰く、二十有八さい放勲ほうくんすなわ徂落そらくせり、百姓考妣ふぼするが如くなりき、三年、四海しかい八音はちいん遏密あつみつせりと。孔子曰く、天に二日無く民に二王無しと。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
地面は昼間温かい太陽に向って九千三百万マイルの彼方から来る光熱を浴びているが、夜になると冷たい死灰しかいのような宇宙の果に向き変ってしまう。
歳時記新註 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
そして視界しかいは、すっかりとじられてしまった。
氷河期の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
神秘の火はわれらの弱点を焼きつくし、神聖な剣は煩悩ぼんのうのきずなを断つ。われらの屍灰しかいの中から天上の望みという不死の鳥が現われ、煩悩を脱していっそう高い人格が生まれ出て来る。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
その上で、ぼくが、あらためて司会しかいをしよう。すこしはかわったものになるだろう。
通例では、刺し込んだ途端に引き抜くと、血管の断面が収縮してしまうもんだが、これはダラリと咨開しかいしている。それに、これほど顕著な特徴をもった、窒息死体を見たことはないよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ここおいて私の考えておりましたとおり至道の死去は、その実普通の死去でありませんので、前に申しました漢の李少君りしょうくんや、我国の白箸翁しろはしおうるいで、全く屍解しかい仙去せんきょであったことが明白になりました。
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ともかくもこれにって、支那歴代の怪奇小説、いわゆる〈志怪しかいの書〉がどんなものであるかということを御会得ごえとくくだされば、こんにちの会合もまったく無意義でもなかろうかと存じます。
即ち支解しかい分葬がそれである。
屍体と民俗 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
その保胤の時から慈悲牛馬に及んだ寂心が、自己の証得愈々いよいよ深きに至って、何で世人の衆苦充満せる此界しかいあえぎ悩んでいるのを傍眼よそめにのみ見過し得ようや。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
往昔むかしから世界せかいだい一の難所なんしよ航海者かうかいしやきもさむからしめた、紅海こうかいめい死海しかいばれたる荒海あらうみ血汐ちしほごと波濤なみうへはしつて、右舷うげん左舷さげんよりながむる海上かいじやうには、此邊このへん空氣くうき不思議ふしぎなる作用さようにて
だから自分も肢解しかいされようと腰斬ようざんにあおうと、そういうものなら甘んじて受けるつもりなのだ。しかし、この宮刑きゅうけいは——その結果かく成り果てたわが身の有様というものは、——これはまた別だ。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)