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死灰
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しかい
ふりがな文庫
“
死灰
(
しかい
)” の例文
一体東海道
掛川
(
かけがわ
)
の
宿
(
しゅく
)
から同じ汽車に乗り組んだと覚えている、
腰掛
(
こしかけ
)
の
隅
(
すみ
)
に
頭
(
こうべ
)
を垂れて、
死灰
(
しかい
)
のごとく
控
(
ひか
)
えたから別段目にも留まらなかった。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
地面は昼間温かい太陽に向って九千三百万マイルの彼方から来る光熱を浴びているが、夜になると冷たい
死灰
(
しかい
)
のような宇宙の果に向き変ってしまう。
歳時記新註
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
いわんや封建社会の活火は、自家の築きし
竈
(
かまど
)
において、
漸
(
ようや
)
く
消燼
(
しょうじん
)
して、今や僅かに半温半冷の
死灰
(
しかい
)
を
止
(
とど
)
めんとす。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
その作品は
死灰
(
しかい
)
の如くなつて、今日世人から尊重されるやうな作品は生れて来なかつたかも知れない。
石川啄木と小奴
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
死灰
(
しかい
)
の再び燃えぬうちに、早く娘を昇に合せて多年の胸の塊を一時におろしてしまいたいが、娘が、思うように、如才なくたちまわらんので、それで
歯癢
(
はがゆ
)
がって気を
揉
(
も
)
み散らす。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
この乱流の間に
横
(
よこた
)
はりて高さ二丈に余り、その
頂
(
いただき
)
は
平
(
たひらか
)
に
濶
(
ひろが
)
りて、
寛
(
ゆたか
)
に百人を立たしむべき
大磐石
(
だいばんじやく
)
、風雨に
歳経
(
としふ
)
る
膚
(
はだへ
)
は
死灰
(
しかい
)
の色を成して、
鱗
(
うろこ
)
も添はず、毛も生ひざれど、
状
(
かたち
)
可恐
(
おそろ
)
しげに
蹲
(
うづくま
)
りて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
磯五に対する限り、お高のこころは
死灰
(
しかい
)
のようになっているのであろうか。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
安楽椅子に伸びちゃったまま、黄色い
死灰
(
しかい
)
のような
色沢
(
いろつや
)
になって、眼ばかりキラキラ光らしている光景は、ちょうど
木乃伊
(
ミイラ
)
の陳列会みたいで、気味の悪いとも物凄いとも形容が出来ないそうです。
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
少年は姓
桂木氏
(
かつらぎし
)
、東京なる
某
(
なにがし
)
学校の秀才で、今年夏のはじめから一種
憂鬱
(
ゆううつ
)
な
病
(
やまい
)
にかゝり、日を
経
(
ふ
)
るに従うて、色も、心も
死灰
(
しかい
)
の如く、やがて
石碑
(
いしぶみ
)
の下に形なき
祭
(
まつり
)
を
享
(
う
)
けるばかりになつたが
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
然れどもその志は、
死灰
(
しかい
)
に帰する
能
(
あた
)
わず。あたかも好し、安政元年正月十八日、前言の期を
違
(
たが
)
えず、ペルリは軍艦四隻、汽船三隻を
帥
(
ひき
)
いて、江戸羽根田に
闖入
(
ちんにゅう
)
し、また
退
(
しりぞ
)
いて神奈川に
投錨
(
とうびょう
)
す。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
“死灰”の意味
《名詞》
火が消え冷たくなった炭。
生気がなく、枯れたような心や様子。
(出典:Wiktionary)
死
常用漢字
小3
部首:⽍
6画
灰
常用漢字
小6
部首:⽕
6画
“死灰”で始まる語句
死灰再燃