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身
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からだ
ふりがな文庫
“
身
(
からだ
)” の例文
誰じゃと
咎
(
とが
)
めてみた時に、その応答がなくて、何か急に自分の
身
(
からだ
)
の上へ押しかかるものがあるように思ったから、急いで
褥
(
しとね
)
を飛び起きて
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
遠く離れてはいたが、手拭を冠った母の
身
(
からだ
)
を延べつ縮めつするさまも、子息のシャツ一枚に成って後ろ向に働いているさまも、よく見えた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
女は、居るというしるしに、うなずいて見せて、自分の
身
(
からだ
)
を
脇
(
わき
)
の箱を置いてある方へそらし、ウォルコフが通る道をあけた。
パルチザン・ウォルコフ
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
私は急ぎの用を
抱
(
かか
)
えている
身
(
からだ
)
だから、こうして
安閑
(
あんかん
)
としてはいられない。なんとこの小僧に頼んで、一匹の馬で
遣
(
や
)
ってもらおうじゃございませんか。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あるときはガスの
火
(
ひ
)
が、
青白
(
あおじろ
)
く
燃
(
も
)
え
上
(
あ
)
がるところへ
乗
(
の
)
せられて、
身
(
からだ
)
にその
炎
(
ほのお
)
を
浴
(
あ
)
びていることもありました。
人間と湯沸かし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
学問でもさせたらさぞ立派なものになるだろう……けれども行先の遠い
身
(
からだ
)
だ、その強い感情をやがて、世の下層に沈んで野獣のようにすさんで行く同輩のために注いでくれ給え
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
公主は白い腕を
舒
(
の
)
べ、
端
(
さき
)
の尖った
屣
(
くつ
)
をはいて、軽く燕の飛ぶように空を蹴って、雲の上まで
身
(
からだ
)
を飛ばしていたが、間もなくやめて侍女達に
扶
(
たす
)
けられて下におりた。侍女達は口ぐちに言った。
西湖主
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
『綾子さんもお
身
(
からだ
)
がお定まりになってようございましたね』
蛇性の執念
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
身
(
からだ
)
の
閑
(
ひま
)
な時には耕す、果樹でも何でも植える、用のある時だけ東京へ出て来る、それだけでも貴方には好かろうと思うんです
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何、妹に免じて、逢うだけだって、
煩
(
うるさ
)
いな!……そんなことに免じなけりゃならないような何だ? 妹だ。……きょうだいは一つ
身
(
からだ
)
だと? 御免を
蒙
(
こうむ
)
る。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ハッと思うまに、
密着
(
くっつ
)
いていた二人の
身
(
からだ
)
が枯野の中に横へ飛び
退
(
の
)
いて、離るることまさに三間です。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
壮
(
さか
)
んな歓呼の中に、復た御輿は担がれて行った。一種の調律は見物の
身
(
からだ
)
に流れ伝わった。私は戻りがけに子供まで同じ足拍子で歩いているのを見た。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
中にも船で漂うのは、あわれに
悲
(
かなし
)
く、浅ましい……
身
(
からだ
)
の丈夫で
売盛
(
うれさか
)
るものにはない、弱い女が流される。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浅吉は怖る怖る、その折本を下へ持ちおろして、最初から一枚一枚見てゆくうちに、浮世絵の情味が、自分の
身
(
からだ
)
の中に溶け込んで、しばらく、われを忘れてしまいました。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そんなことを言つて夜中に私が泣きますと、お婆さんは
臥床
(
ねどこ
)
から
身
(
からだ
)
を起して、傷み腫れた私の足を叩いて呉れました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そんなものが敷いて
寄越
(
よこ
)
した蒲団に乗るとな、
汚
(
けが
)
れるぜ。
身
(
からだ
)
が汚れらあ。しちりけっぱいだ、
退
(
ど
)
け!
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
芹沢の
屍骸
(
しがい
)
の上には、
夜眼
(
よめ
)
にも白くお梅の
身
(
からだ
)
が共に冷たくなって折り重なっている。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お種は、満洲から来た実の便りに、漸く彼も信用のある
身
(
からだ
)
に成って、東京に留守居するお倉へ月々の生活費を送るまでに
漕付
(
こぎつ
)
けたことを話し出した。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
舳
(
みよし
)
に立って釣らしった
兄哥
(
あにや
)
の
身
(
からだ
)
のまわりへさ、銀の鰹が降ったっけ、やあ、姉さん。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼の
身
(
からだ
)
にこすりつくことを好んでいなかったか——あらゆる動物が彼を慕うて来る、毒蛇でさえも、狼でさえも——いわんや動物のうちの最も順良なる牛が、こうして、なついて来るのは
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
不図
(
ふと
)
、その線路の
側
(
そば
)
で、
饅頭笠
(
まんぢゆうがさ
)
を冠つて居る例の番人に逢つた。私は
身
(
からだ
)
を
縮
(
すく
)
めずに其番小屋の側を通れなかつた。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
もうこの
身
(
からだ
)
で泣くのにも堪えられない、思切らせておくれ、と仕方をしたんだろう。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さあ、
退
(
ど
)
いた、退いた」と、源は肩と肩との
擦合
(
すれあ
)
う中へ割込んで、
漸
(
やっと
)
のことで
溜
(
たまり
)
へ参りますと、馬は
悦
(
うれ
)
しそうに
嘶
(
いなな
)
いて、大な首を源の
身
(
からだ
)
へ擦付けました。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
やがて私の
身
(
からだ
)
は何の事はない
渦
(
うずま
)
いて来る人間の浪の中に巻込まれてしまいました。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この友人が
多忙
(
いそが
)
しい
身
(
からだ
)
に
僅
(
わずか
)
の
閑
(
ひま
)
を見つけて隅田川の近くへ休みに来る時には、よく岸本のところへ使を
寄
(
よこ
)
した。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
侍女六 いいえ、若様、私たち御殿の女は、
身
(
からだ
)
は綿よりも柔かです。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
正太や豊世の
許
(
ところ
)
から来る手紙には、父のことに
就
(
つ
)
いて一言も書いてなくて、家の方は案じるなとか、くれぐれも
身
(
からだ
)
を大切にして病を養ってくれよとか——唯
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私がね、小さい時、万はもう大きな
身
(
からだ
)
をして、良い処の息子の癖に、万金丹売のね、
能書
(
のうがき
)
を絵びらに刷ったのが貰いたいって、
革鞄
(
かばん
)
を持って、お供をして、嬉しがって、威張って
歩行
(
ある
)
いた
児
(
こ
)
だものを。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
裏の
畠
(
はたけ
)
の野菜も勢よく延びて、
馬鈴薯
(
じゃがいも
)
の花なぞが盛んに白く咲く頃には、
漸
(
ようや
)
く三吉も暇のある
身
(
からだ
)
に成った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
(あれ、あれ、お祝の口紅を。
身
(
からだ
)
がきれいになって。)
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
叔父さんに心配を掛けた自分の
身
(
からだ
)
も、今では
漸
(
ようや
)
く回復して、
何事
(
なんに
)
も知らない人が
一寸
(
ちょっと
)
見たぐらいでは分らないまでに成ったから安心してくれと書いてよこした。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
揃って世の中から畜生
呼
(
よば
)
わりをされる
身
(
からだ
)
で。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
七度目の懐妊した
身
(
からだ
)
でいるお雪に取っては、この
遽
(
にわ
)
かにやって来た暑気が
殊
(
こと
)
に堪え難かった。蒸されるような身体の熱で、三吉も眠ろうとして眠られなかった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
終
(
しまい
)
には自分の
身
(
からだ
)
までその中へ巻込まれて行くような、
可恐
(
おそろ
)
しい
焦々
(
いらいら
)
した震え声と力とを出して形容した。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
あの
昨夜
(
ゆうべ
)
の
厭
(
いや
)
な夢、——どうして私はこんな
不幸
(
ふしあわせ
)
な
身
(
からだ
)
に生れて来たんでしょう。若しかすると、私は近い内に死ぬかも……もう御目にかかれないかも……知れません
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
馬丁の吹き鳴らす
喇叭
(
らっぱ
)
の音が起る。薄い
蓙
(
ござ
)
を掛けた馬の
身
(
からだ
)
はビッショリと
濡
(
ぬれ
)
て、
粗
(
あら
)
く乱れた
鬣
(
たてがみ
)
からは
雫
(
しずく
)
が
滴
(
したた
)
る。ザクザクと音のする雪の路を、馬車の輪が
滑
(
すべ
)
り始める。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼は長い船旅で、日に焼け、熱に蒸され、
汐風
(
しおかぜ
)
に吹かれて来たばかりでなく、
漸
(
ようや
)
くのことであの東京浅草の小楼から起して来た
身
(
からだ
)
をこうした外国の生活の試みの下に置いた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
捨吉は何とも言って見ようのないような心持で、すがりつく弘の
身
(
からだ
)
を堅く抱締めた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
栗蟲の
身
(
からだ
)
から、銀さん達は強い糸の材料を取つて、魚を釣る道具に造りました。その原料を酢に浸して、小屋の前で細長い糸に引延して乾すところを、私はよく立つて見て居りました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「済んだら早く帰って来いよ。小父さんも
多忙
(
いそが
)
しい
身
(
からだ
)
に成って来たからな——」
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
旦那さんと一緒に復た旅館の方へ移つてからのお節は、今度は自分等二人の本当の旅仕度やら買物やらで、急にいそがしい
身
(
からだ
)
に成つた。その
中
(
うち
)
でも妹の顔を見に叔父さんの
家
(
うち
)
へ立寄つて
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「父さん、お舟——」と長ちやんは叔父さんの
側
(
そば
)
へ行つて
身
(
からだ
)
を
擦附
(
すりつ
)
けた。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それに田辺の姉さんは横浜の店の方から激しく働いた
身
(
からだ
)
を休めに帰って来ていたし、お婆さんの側には
国許
(
くにもと
)
から呼び迎えられた田辺の親戚の娘も来て掛っていたし、留守宅とは言っても
可成
(
かなり
)
賑かで
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
死は次第にお房の
身
(
からだ
)
に上るように見えた。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“身(
体
)”の解説
体(體、躰、躯、身体、からだ)、身体(しんたい)は、生物学的かつ文化的に規定された、有機体としての人間や動物の構造を指す。人間は身体を通じて世界を経験し、世界を構成する。
(出典:Wikipedia)
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“身”を含む語句
身上
身代
身長
身体
身装
生身
自身
身振
身辺
身性
正身
身動
独身
身丈
全身
刀身
身裝
御身
現身
総身
...