“汐風”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しおかぜ91.7%
しほかぜ8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しばらくすると、どーんと銃声一発汐風しおかぜふく暗い洋上の空気をゆりうごかした。射程しゃていはわずかに百メートルぐらいだから、見事に命中である。
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この黒塀のそば小溝こみぞに添うて、とぼとぼと赤羽橋の方へやって来た、眼の前には芝山内さんないの森が高く黒い影を現しておる、うしろの方から吹いて来る汐風しおかぜやつくので
白い蝶 (新字新仮名) / 岡田三郎助(著)
汐風しほかぜりやうを吹きて、呼吸漸くしづまり、彼方の岸に登りしときは、心も頗るおちゐたり。
我はみづから面のくが如く目の血走りたるを覺えて、きれ鹹水しほみづひたして額の上に加へ、又水をわたり來る汐風しほかぜすこしをも失はじと、衣のボタン鬆開しようかいせり。されど到る處皆火なるを奈何いかにせん。