白い蝶しろいちょう
友の家を出たのは、最早夕暮であった、秋の初旬のことで、まだ浴衣を着ていたが、海の方から吹いて来る風は、さすがに肌寒い、少し雨催の日で、空には一面に灰色の雲が覆い拡って、星の光も見えない何となく憂鬱な夕だ、四隣に燈がポツリポツリと見え初めて、 …
作品に特徴的な語句
ちょうど げん ともし むこ 如何どう きい 矢張やっぱり 木口きくち 明白はっきり 打殺ぶっころ 羽撃はうち うしろ 最早もう はた かんじ 此度こんど 彼処あすこ 川縁かわぶち ちょう わか すべ ひろが にぎや 頸筋くびすじ 益々ますます ぴき 癩病らいびょう 痳痺まひ 木片きぎれ はなは 現今いま 身体からだ 頭脳あたま すこぶ はし 霊魂たましい 雨催あめもよい あたり しば すそ おお はなし 足下あしもと ゆうべ 三田みた 中々なかなか 今日こんにち 何処どこ そば 偶々たまたま 初旬はじめ 半町はんちょう 取払とりはら 四辺あたり 四隣あたり 小溝こみぞ 山内さんない 平時いつも 心持こころもち 思切おもいき 憶出おもいだ ふところ 丁度ちょうど いま 格別かくべつ 此処ここ こと 汐風しおかぜ 浴衣ゆかた