“木片”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きぎれ42.6%
こっぱ22.2%
もくへん11.1%
こつぱ9.3%
こば5.6%
ききれ1.9%
きぎ1.9%
きのきれ1.9%
こッぱ1.9%
ぼくへん1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おい、なんでもいいから、護身用になる木片きぎれでもナイフでも用意しろ。貝谷は銃を大切にしろ。銃は一挺しかないんだからな」
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ほこりけの手拭を吹流しに冠って、燃え草の木片こっぱを抱えた嫁のお冬、美しい顔を硬張らせて、宵闇の中にどこともなく見詰めております。
「お前達はよく互にしつかりと抱き合つてゐる。」と、まるで巨大な木片もくへんが生命を持つてゐて私の云ふことが聞えるかのやうに私は云つた。
農家の建築は一般に木片こつぱで葺いた屋根の上へまるで沢庵の重石おもしのやうに人頭大の石を並べたものであるが、これは恐らく風雪の被害を避ける最も安直な手段なのだらう。
建てかけの家の屋根の木片こばぶきだけのところが霜でもおいたように白く月光にぬれ光っていて、目にのこる夜景でした。
優鈿うでん大王だいおうとか饂飩うどん大王だいおうとやらに頼まれての仕事しわざ、仏師もやり損じては大変と額に汗流れ、眼中に木片ききれ飛込とびこむも構わず、恐れかしこみてこそ作りたれ、恭敬三昧きょうけいざんまいうれしき者ならぬは
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
どての蔭へ寄って、武蔵は、そこらの枯れ枝や木片きぎれや、燃えそうな物をあつめた。燧打石ひうちいしって、小さな炎とするまでには、実に克明な丹精と辛抱がるのだった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もとよりいづこをさして往かんと迄は、一たびも思ひ計らざりき。鋪板ゆかを這ひて窓の下にいたり、木片きのきれありしを踏臺にして窓に上りぬ。家は皆戸を閉ぢたり。街には人行絶えたり。
かぢ「それじゃア疲労くたびれてるだろうから、あの二畳へ往って木片こッぱを隅の方へ片付けて、薄縁うすべりを敷いてお
遺跡發見物中にははいも有りけたる木片ぼくへんも有りてコロボツクルがようを知り居りし事は明なるが、鉢形はちがた鍋形なべがたの土器の中には其外面のくすぶりたる物も有れば、かし
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)