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木片
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こっぱ
ふりがな文庫
“
木片
(
こっぱ
)” の例文
埃
(
ほこり
)
除
(
よ
)
けの手拭を吹流しに冠って、燃え草の
木片
(
こっぱ
)
を抱えた嫁のお冬、美しい顔を硬張らせて、宵闇の中にどこともなく見詰めております。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あっしの方はモットおかしいんで……あっしはこれでも
小手斧
(
こちょうな
)
の癇持ちでげして、
小手斧
(
こちょうな
)
の
木片
(
こっぱ
)
が散らかるのが大嫌いでげす。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
風吹き通す
台所
(
だいどこ
)
に切ってある小さな
炉
(
ろ
)
に、
木片
(
こっぱ
)
枯枝
(
かれえだ
)
何くれと
燃
(
も
)
される限りをくべてあたっても、顔は
火攻
(
ひぜめ
)
、
背
(
せな
)
は
氷攻
(
こおりぜ
)
めであった。とめやが独で甲斐々々しく
駈
(
か
)
け廻った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
夢がどうした、そんな事は
木片
(
こっぱ
)
でもない。——俺が
汝等
(
うぬら
)
の手で
面
(
つら
)
へ
溝泥
(
どぶどろ
)
を塗られたのは夢じゃないぞ。この
赫
(
かッ
)
と開けた大きな目を見ろい。——よくも
汝
(
うぬ
)
、溝泥を塗りおったな。
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「イエ、ナニ、お眼にとまって恐れ入りますが、これが、まあ、私の道楽なので、商売に出ない日は、こうして
木片
(
こっぱ
)
を刻んでは、おもちゃにしております。お恥ずかしい次第で」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
さがしたのです。そうしたら、苔の間に、
木片
(
こっぱ
)
の陰になって落ちて居たのです
好色破邪顕正
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
春見は口へ手を当て様子を
窺
(
うかゞ
)
うとすっかり呼吸が止った様子ゆえ、細引を
解
(
と
)
き、懐中へ手を入れ、先刻渡した千円の金を
取返
(
とりかえ
)
し、
薪
(
たきゞ
)
と
木片
(
こっぱ
)
を
死人
(
しびと
)
の上へ積み、縁の下から
石炭油
(
せきたんゆ
)
の
壜
(
びん
)
を出し
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
釿
(
ちょうな
)
で片耳
殺
(
そ
)
ぎ取るごときくだらぬことを
我
(
わ
)
がしょうや、わが腹立ちは
木片
(
こっぱ
)
の火のぱっと燃え立ちすぐ消ゆる、
堪
(
こら
)
えも意地もなきようなることでは済まさじ承知せじ、今日の変事は今日の変事
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
すると、一人の日本少年が、どこからか薄い
木片
(
こっぱ
)
を拾って来てくれた。が、一間も隔っている檻へ、いかにして差し入れようかと考えていると、老人の牢番が、それを受けついで渡してくれた。
船医の立場
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
月光がしんとすればするほど、心臓の鼓動はいよいよ激しくなり、痛いくらいであった。どこまでもしんと静まり返っている! ふと、
木片
(
こっぱ
)
でも折ったように、一瞬間、ものの裂ける乾いた音がした。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
今日は
家
(
うち
)
が婚礼だからと云って断ると
冗足
(
むだあし
)
をするべいじゃねえ、炭がなければ此の寒いのに
木片
(
こっぱ
)
を焚いてブウ/\云ってあたるくらいで、大勢の人に寒い思いをさせなければなんねえから
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
材
(
き
)
を
釿
(
はつ
)
る
斧
(
よき
)
の音、板削る
鉋
(
かんな
)
の音、
孔
(
あな
)
を
鑿
(
ほ
)
るやら
釘
(
くぎ
)
打つやら丁々かちかち響き
忙
(
せわ
)
しく、
木片
(
こっぱ
)
は飛んで疾風に木の葉の
翻
(
ひるが
)
えるがごとく、
鋸屑
(
おがくず
)
舞って晴天に雪の降る感応寺境内普請場の
景況
(
ありさま
)
賑
(
にぎ
)
やかに
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ジーンと全身に響く怪音、振り返ると研究室は、カーッと白光に充たされて、床も羽目も、
卓子
(
テーブル
)
も、
椅子
(
いす
)
も、いや、あの怪奇な機械さえも、
木片
(
こっぱ
)
細工のようにメラメラと燃えて居るではありませんか。
音波の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私や金と同じことに今ではどうか一人立ち、しかも
憚
(
はばか
)
りながら
青
(
あお
)
っ
涕
(
ぱな
)
垂
(
た
)
らして弁当箱の持運び、
木片
(
こっぱ
)
を担いでひょろひょろ帰る
餓鬼
(
がき
)
のころから親方の手についていた私や仙とは違って奴は渡り者
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
前回に申上げました通り、春見丈助は井生森又作を
縊
(
くび
)
り殺して、死骸の上に
木片
(
こっぱ
)
を積み、
石炭油
(
せきたんゆ
)
を
注
(
つ
)
ぎ掛けて火を
放
(
つ
)
けて逃げますと云うのは、極悪非道な奴で、火は一面に死骸へ燃え付きましたから
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
“木片”で始まる語句
木片大工
木片微塵