“きぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
木々33.3%
樹々23.6%
嬉戯17.1%
機宜8.1%
4.1%
樹樹3.3%
2.4%
木木1.6%
木切0.8%
0.8%
喜戯0.8%
嘻戯0.8%
忌疑0.8%
木片0.8%
樹〻0.8%
0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つきすると、木々きぎこずえ青葉あおばつつまれ、えだえだかさなりって、小鳥ことりもりこだまこして、うえはならすくらいに、うたしました。
安心あんしんあそばしてください、下界げかい穀物こくもつがすきまもなく、に、やまに、はたにしげっています。また樹々きぎには果物くだものかさなりってみのっています。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
昨日きのうまでのあそびの友達ともだちからはにわかにとおのいて、多勢おおぜい友達ともだち先生達せんせいたち縄飛なわとびに鞠投まりなげに嬉戯きぎするさまを運動場うんどうじょうすみにさびしくながめつくした。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こういうことについては、なにもかも一応知って苦労をしておき、そして、機宜きぎの処置がとれなくてはいけません。
日本料理の基礎観念 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
なにをかこゝろむる、とあやしんで、おこみぎはつて、枯蘆かれあしくきごしに、ほりおもてみつめた雪枝ゆきえは、浮脂きらうへに、あきらかに自他じた優劣いうれつきぎけられたのを悟得さとりえて、おもはず……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この山の樹樹きぎのことごと芽ぐみたり桜のつぼみややややにゆるむ
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
無念のまなじりこそ裂けておりますが、きぎんだような眼鼻立ちが恐怖にゆがめられて、物凄さもまた一入ひとしおです。
ちまた木木きぎとにひびき
智恵子抄 (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
ちょうど片仮名のイの字をさかさにしたような棒で、現在は鉤の全く取れたただの木切きぎれを尖らせて打つ地方も多いようだが、私などは鉤が有るために面白く打てたのだと今でも思っている。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
小児は全体に木切きぎれを持って遊ぶを好み、それを持つとかならず少しばかり昂奮こうふんする。なんでもないことのように我々は考えがちだが、実は隠れたる由来ゆらいのあったことかも知れぬのである。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ひとたびそれがきぎした時は、われと人とをかえりみるの余地のないことをお吉は知りません。そうして油坂の石段の下まで来ると、そこから急に右へまわり出しましたから、お吉が
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
砂浜はギラギラと光り、陸に海に喜戯きぎする数多あまたの群衆は、晴々とした初夏はつなつの太陽を受けて、明るく、華やかに輝いて見えた。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
農家からは、水車の音や、家禽かきんの鳴声や、子供らの嘻戯きぎの声が響いていた。彼はザビーネの小さな娘を見つけ、その走るのを見、その笑声を聞き分けた。
城下ちかいを為すの恥を思わず、かえって忠貞をとらえて忌疑きぎを抱く。白映ペートルさかいを議す長崎の港、聖東ワシントン地をる下田のはま
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
どての蔭へ寄って、武蔵は、そこらの枯れ枝や木片きぎれや、燃えそうな物をあつめた。燧打石ひうちいしって、小さな炎とするまでには、実に克明な丹精と辛抱がるのだった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此室ここかろうという蔵海のことばのままその室の前に立っていると、蔵海は其処そこだけ雨戸をった。庭の樹〻きぎは皆雨に悩んでいた。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そこで思い遣りの心が自発的にきぎして来る。一点でもそんな心が湧出すればそれはとても貴いもので、これを培えば段々発達して遂に慈愛に富んだ人となるであろう。