“きざし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キザシ
語句割合
73.5%
10.3%
兆候2.9%
2.9%
凶兆1.5%
1.5%
徴候1.5%
現象1.5%
病兆1.5%
萌芽1.5%
1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
青きあわせに黒き帯してせたるわが姿つくづくとみまわしながらさみしき山に腰掛けたる、何人なにびともかかるさまは、やがて皆孤児みなしごになるべききざしなり。
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おつるところにはたらきざしあるゆゑに陰にして陽のまろきをうしなはざる也。天地気中の機関からくり定理定格ぢやうりぢやうかくある事奇々きゝ妙々めう/\愚筆ぐひつつくしがたし。
不開室あかずのまの怪異とばかり想ひなし、かつ恐れ且あやしみながら、元来泣声ある時は、目出度めでたきことの兆候きざしなり、と言伝いひつたへたりければ、「いづれも吉兆にさふらひなむ」と主人を祝せしぞおろかなりける。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……槍鉄砲を持ち歩くに至っては、内乱のきざしと云ってもよい。
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
間もなく天に、争うべからざる恐ろしい凶兆きざしが現われた。
暗黒星 (新字新仮名) / シモン・ニューコム(著)
しかしその結果に對するきざしは彼には見えず、しかも彼の顏色が曇つて來るのを見て、私ははつとして私が全然あやまりをしたので
にはには子供等こどもら村落むらものがぞろつとたつこのさわぎをわらつてた。そのへんにはむづかしさうなものはひとつもられなかつた。彼等かれらつゝんだやはらかな空氣くうきはる徴候きざしでなければならなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
うらうへにましき現象きざし
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
刑部は、業病ごうびょうだった。もう十年余り前から、病兆きざしが出て、今では一見してそれと分る癩の相好そうごうをしている。
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お美しいこと、父帝が溺愛できあいしておいでになることなどを始終聞かされていたのがこの恋の萌芽きざしになったのである。
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
武蔵野むさしぬ小岫をぐききざしわかにしよひよりろにはなふよ 〔巻十四・三三七五〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)