“しるし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シルシ
語句割合
印20.5%
徴10.4%
標9.7%
験9.0%
証7.0%
兆5.8%
首級4.9%
記号3.1%
首2.0%
効験1.4%
記1.4%
驗1.3%
章1.3%
休徴1.1%
記念1.1%
象徴1.1%
表示0.7%
證0.7%
符号0.7%
徴候0.7%
証拠0.7%
表0.5%
効0.5%
徽章0.5%
表徴0.5%
記章0.5%
印記0.4%
体徴0.4%
号0.4%
墓標0.4%
標識0.4%
目標0.4%
表章0.4%
記印0.4%
證據0.4%
識0.4%
象0.4%
効果0.2%
徴號0.2%
啓示0.2%
徽號0.2%
瑞0.2%
符牒0.2%
聘礼0.2%
信0.2%
候0.2%
儀0.2%
兆候0.2%
前兆0.2%
功驗0.2%
効驗0.2%
商標0.2%
墓石0.2%
実効0.2%
実証0.2%
徴号0.2%
応現0.2%
提灯0.2%
效0.2%
旗幟0.2%
標印0.2%
標幟0.2%
標本0.2%
標札0.2%
標示0.2%
標章0.2%
焼印0.2%
特徴0.2%
現象0.2%
瑞兆0.2%
璽0.2%
甲状腺0.2%
目0.2%
石碑0.2%
碑0.2%
祥0.2%
結納0.2%
花判0.2%
號衣0.2%
表象0.2%
記標0.2%
記號0.2%
記載0.2%
証跡0.2%
證徴0.2%
讖0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「彫れますかな? 本式の親分になる印(しるし)に。……そしたら、僕も、やっぱり、龍を彫ります。そして、百合の花を肢(あし)に握らせますよ」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
結局翼なくても飛ぶと讃えてこれを省いたと、蛇や蜥蜴に似ながら飛行自在なる徴(しるし)に翼を添えたと趣は異にして、その意は一なりだ。
徐(おもむ)ろに眼を開きたる梅子の視線は、いつしか机上に開展されたる赤紙の第三面に落ちて、父が墨もて円く標(しるし)せる雑報の上をたどるめり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
それは寛正の頃、東国大(おおい)に旱魃(かんばつ)、太田道灌(おおたどうかん)江戸城にあって憂い、この杉の森鎮座の神にお祷(いの)りをした験(しるし)があって雨降り、百穀大に登(みの)る。
あの古き大津絵が隈(くま)なく美しいのは、救いが果されている証(しるし)ではないか。美しい大津絵の凡ては、自然の力の恵みを受けているのである。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
それは貞節の神秘な兆(しるし)で、バルバロッサをしてイコニオムの発掘の中に見い出されたディアナに恋せしめたところのものである。
丘では、追々とひきあげて来る人々が、各〻獲(え)て来た敵の首級(しるし)を、藤吉郎の床几(しょうぎ)の前にならべ合って、血のさかもりにどよめいていた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この「磐井」「盛岡」の地図の表は山の記号(しるし)で埋まっている。この山と山の重なっている中には、どのような寂莫な、神秘が蔵(かく)されているだろう。
遠野へ (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
「拙者は竹腰藤九郎(たけのこしとうくろう)でござる、お首(しるし)を頂戴(ちょうだい)して、先君(せんくん)道三入道殿(にゅうどうどの)の修羅(しゅら)の妄執(もうしゅう)を晴らす存念でござる」
赤い土の壺 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
雨乞いの祈祷は巳(み)の刻(午前十時)を過ぎても何の効験(しるし)も見えなかった。壇のまわりには北面(ほくめん)の侍どもが弓矢をとって物々しく控えていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
清葉とお孝の名を記(しるし)にした納手拭(おさめてぬぐい)の、一つは白く、一つは青く、春風ながら秋の野に葛(くず)の裏葉の飜(ひるがえ)る、寂しき色に出(い)でて戦(そよ)ぐを見つつ、去るに忍びぬ風情であった。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かれ曙立(あけたつ)の王に科(おほ)せて、うけひ白さしむらく一〇、「この大神を拜むによりて、誠(まこと)に驗(しるし)あらば、この鷺(さぎ)の巣(す)の池一一の樹に住める鷺を、うけひ落ちよ」
椰子の葉は勝利の章(しるし)、中空高く、梢の敷桁となつて、光明の中に搖動(ゆれうご)きつつ廣がり、しかも其自由の重みに項垂(うなだ)れる。
椰子の樹 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
隠微(かくれ)たるに鑒給(みた)まう神様よ。どうぞどうぞ聖名(みな)を崇(あが)めさせ給え。み休徴(しるし)を地上にあらわし給え…………
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
今の私の法悦は喩(たとう)るものもありません。そうです、お礼に参籠した今宵を記念(しるし)として、ただ今からは御告命の二字をいただいて、善信と名乗ることにいたしまする。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
佐保子(さほこ)が昨日(きのふ)までに変つて他(た)の兄弟から忌(い)まれて孤独になつた象徴(しるし)であるらしいと台所で女中に云つて聞かせたりもお艶(つや)さんはなさいました。
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
つまり、親愛な黄色——アレキサンドライトの方が吉で、紅玉(ルビー)の血は勿論凶なのでございます。そして、この二つを諾否の表示(しるし)にして、どっちかを
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
痩せた、透徹るほど蒼白い、鼻筋の見事に通つた、険のある眼の心持吊つた——左褄とつた昔を忍ばせる細面の小造だけに遙(ずうつ)と若く見えるが、四十を越した證(しるし)は額の小皺に争はれない。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
今日出る前に上に並んだ炭に一々符号(しるし)を附けて置いたので御座います。それがどうでしょう、今見ると符号(しるし)を附けた佐倉が四個(よっつ)そっくり無くなっているので御座います。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
したがって、文字を解することは、かえって生命力衰退の徴候(しるし)として斥(しりぞ)けられた。悟浄が日ごろ憂鬱(ゆううつ)なのも、畢竟(ひっきょう)、渠(かれ)が文字を解するために違いないと、妖怪(ばけもの)どもの間では思われておった。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
やがて内衣嚢(うちかくし)から名刺入れを出して、その中の一枚を自分で来たという証拠(しるし)に折り曲げて、女の前の丸卓子(テーブル)の上に載せた。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ぢやが、海苔(のり)一帖(じょう)、煎餅(せんべい)の袋にも、贈物(おくりもの)は心すべきぢや。すぐに其は対手(あいて)に向ふ、当方の心持(こころもち)の表(しるし)に相成(あいな)る。……将軍家へ無心(むしん)とあれば、都鳥一羽も、城一つも同じ道理ぢや。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
介抱した効(しるし)があって漸々(よう/\)気がついて私(わし)も悦ばしゅうございますが、決して心配をなさいますなよ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
爾来竜頭アサーと呼ばれた。これ英国で竜を皇旗とする始まりで、先皇エドワード七世が竜を皇太子の徽章(しるし)と定めた。
「その竪(たて)の一眼は、愛染明王の淫眼といって、ことに意味深い表徴(しるし)になっている」
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
告(つげ)れば是さへ喜びて忽地(たちまち)心地は能く成けり忠兵衞直(たゞち)に結納(ゆひなふ)を揃(そろ)へる中に其日は暮行(くれゆ)き明日(あす)朝(あさ)の間(ま)に品々を釣臺(つりだい)三荷(が)に積登(つみのぼ)せ我家の記章(しるし)染拔(そめぬき)たる大紋付の半纒(はんてん)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
不幸なる猶太教徒の皆負へるカイン(亞當(アダム)の子)が印記(しるし)は、一つとしてその面に呈(あらは)れたるを見ざりき。又その詞さへその聲さへ、猶太の民にあるまじきものなり。ベルナルドオよ。
見るとお母様は不図(ふと)思ひ付いてこれこそ神様から娘によい着物を下さると云ふ体徴(しるし)であらうと思ひまして其(その)卵のかへるのを待つて居(を)りますとやがて沢山の蠶が生れまして床(とこ)の上を這ひ初めました。
金銀の衣裳 (新字旧仮名) / 夢野久作(著)
「そうだわ。此処に何か号(しるし)があるんじゃないの。これはまた妙ね」
リギ山上の一夜 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
……殊(こと)に、お石碑の註文をうけて、内匠頭様のお墓標(しるし)を彫っているってえと、彫っているうちに、殿様のお心だの、瑤泉院(ようぜいいん)様のお気もちだの、又、赤穂藩の大勢様が
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
舳に金色(きんしよく)に光つてゐる魚(うを)の標識(しるし)が附いてゐるからの名である。シツペの持舟にこれ程の舟が無いばかりでは無い、テルモンド市のあらゆる舟の中でも、これ程立派で丈夫な舟は無い。
言い訳なさに万年橋へ目標(しるし)を残して身を投げて死んだろうかと云うのは、此方(こちら)の鑒定だよ
特(こと)に我(わが)弦月丸(げんげつまる)は今(いま)や萬里(ばんり)の波濤(はたう)を志(こゝろざ)して、音(おと)に名高(なだか)き地中海(ちちゆうかい)、紅海(こうかい)、印度洋等(インドやうとう)の難所(なんしよ)に進(すゝ)み入(い)らんとする其(その)首途(かどで)に、滊船(きせん)が安全(あんぜん)航行(かうかう)の表章(しるし)となるべき白色檣燈(はくしよくしやうとう)が微塵(みじん)に碎(くだ)けて、其(その)燈光(ともしび)は消(き)え、同時(どうじ)に
紺とはいえど汗に褪(さ)め風に化(かわ)りて異な色になりし上、幾たびか洗い濯(すす)がれたるためそれとしも見えず、襟(えり)の記印(しるし)の字さえ朧(おぼろ)げとなりし絆纏(はんてん)を着て、補綴(つぎ)のあたりし古股引(ふるももひき)をはきたる男の
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
私欲ならざりける證據(しるし)は、家に餘財のつめる物少なく、殘す誹りの夫れだけは施しける徳も、陰(かげ)なりけるが多かりしかば、我れぞ其露にとぬれ色みする人すらなくて、醜名ながく止まる奧庭の古池に
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
紋章の発達については沼田頼輔氏の有益な研究があって、はなはだ明らかであるが、幾何学的の図形を用いて家の識(しるし)としたこと、ずいぶん芸術的な仕方であった。
芸術と数学及び科学 (新字新仮名) / 三上義夫(著)
村長の像ならば村費をもって記念像を作る議が可決されているし、地主ならば彼自らが自らの人徳を後世の村民に遺(のこ)すための象(しるし)として、費用を惜まず己(おの)れの像を建設して置きたい望みを洩らしている。
ゼーロン (新字新仮名) / 牧野信一(著)
二つ戸口のこの宿にいることの効果(しるし)は
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
世に生れて来た効果(しるし)に何があるか?
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
即ちこれらのもの己をもてあたかもミノスの女(むすめ)が死の冷(つめた)さを覺えし時に造れるごとき徴號(しるし)を二つ天につくり 一三—一五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かくてかの尊(たふと)き徴號(しるし)、いよ/\つよく目を燃やしつゝ、我をながく驚異(あやしみ)のうちにとめおかじとて、答ふらく 八五—八七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
女1 恐しいことでございますわね、今日も、また何か縁起の悪い啓示(しるし)が空にあらわれたと云っていますから、充分に気を付けないと、いつどんなことが起るかも分りませんわ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
……御覧(ごらん)なさい! 鮮かな緑の竹の葉を通して、輝かしい僕達の太陽が恵みの光を投げかけているではありませんか!……あれこそは偽りのない神の祝福の啓示(しるし)です。僕達は祝福されているのです。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
たゞ彼等各〻色も徽號(しるし)もとり/″\なる一の嚢(ふくろ)を頸に懸けまたこれによりてその目を養ふに似たるを認めき —五七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
こゝにひとり白き小袋に空色の孕める豚を徽號(しるし)とせる者我にいひけるは、汝この濠(ほり)の中に何を爲すや 六四—六六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かれここに邇藝速日(にぎはやび)の命三八まゐ赴(む)きて、天つ神の御子にまをさく、「天つ神の御子天降(あも)りましぬと聞きしかば、追ひてまゐ降り來つ」とまをして、天つ瑞(しるし)三九を獻りて仕へまつりき。
日浮びて暉(ひかり)を重ね、雲散りて烟(かす)まず。柯(えだ)を連ね穗を并(あ)はす瑞(しるし)、史(ふみひと)は書(しる)すことを絶たず、烽(とぶひ)を列ね、譯(をさ)を重ぬる貢(みつき)、府(みくら)に空しき月無し。名は文命よりも高く、徳は天乙に冠(まさ)れりと謂ひつべし。
「金子を転々と埋め変えて、そのつど符牒(しるし)をつけたのが、ほかならぬ吉田武左衛門なのだよ。……俺(わし)の門下の中にあっても、信用のおける人物であった」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「目的の地も近くなった。京丸の地はもう間近だ」いいいい老儒者は綴じ紙の面に描かれてある細密の地図のその一所に記されてある牡丹(ぼたん)の符牒(しるし)へ眼を注いだ。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
御釜の音なかりしは、祝部等(はふりたち)が身の清からぬにぞあらめ。既に聘礼(しるし)を納めしうへ、かの四三赤縄(せきじよう)に繋(つな)ぎては、仇(あた)ある家、異(こと)なる域(くに)なりとも易(か)ふべからずと聞くものを。
はやく日をえらみて三五聘礼(しるし)を納(い)れ給へと、強(あながち)にすすむれば、盟約(ちかひ)すでになりて、井沢にかへりごとす。即(やが)て聘礼(しるし)を厚くととのへて送り納(い)れ、三六よき日をとりて婚儀(ことぶき)を三七もよほしけり。
さあ、嘘でない信(しるし)に一献差(ひとつさ)すから、その積で受けてもらはう
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
我は共に坐すること二時間ばかりなりしに、舟人は急に我を呼びて歸途に就かんことを促せり。こは颶風(ぐふう)の候(しるし)ありて、岸區(リド)とヱネチアとの間なる波は、最早小舟を危うするに足るが故なりと云へり。
私事(わたくしこと)人々の手前も有之候故(これありさふらふゆゑ)、儀(しるし)ばかりに医者にも掛り候へども、もとより薬などは飲みも致さず、皆(みな)打捨(うちす)て申候(まをしさふらふ)。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「五郎の手簡など、見るまでもない。木曾の変心は、事実だろう。彼といい、梅雪入道といい、近年、いぶかしい兆候(しるし)はいくらもあった。——叔父御、御苦労ながら、また御出陣ください。勝頼も参りますれば」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その男は余程の御幣(ごへい)かつぎとみえて、その日の新聞紙の上にくもが一ぴきとまつてゐるのを見て、気にかゝつてならないから、幸運か悪運か、どつちの前兆(しるし)なのか
撰(えら)ぶ物から功驗(しるし)は毫(すこ)しもあらずして次第漸次(しだい)に重(おも)り行き昨今にては到底(とても)此世の人には非じと醫師も云ひ吾儕共(わたくしども)も思ひますれば節角(せつかく)お娘御を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
落(おと)さぬやう可笑(をかしく)もあらぬことにまで笑ひ慰(なぐさ)め居たりしが兎角(とかく)藥の効驗(しるし)もなく夏も去(さり)秋も過てはや其年も暮(くれ)になりけれども一向に驗(しるし)も見えず斯(かく)て居ること既(すで)に一年餘りに成ければ路用(ろよう)の貯(たくは)へとてもお花が所持(しよぢ)せし百兩は惡漢(わるもの)に奪ひ取れ友次郎が持(もち)し百兩も岡山を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今は竹の皮づつみにして汽車の窓に売子出でて旅客に鬻(ひさ)ぐ、不思議の商標(しるし)つけたるが彼(か)の何某屋(なにがしや)なり。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「オオ、袖ヶ浦の凪(なぎ)にのぞんで、兄上のお墓石(しるし)が見えるわ……」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
命の実効(しるし)はわずかにこの一瞬。
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
「その実証(しるし)を、眼にも見よ」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これも指導役(しどうやく)のお爺(じい)さんから教(おし)えられて、私(わたくし)は女(おんな)が眠(ねむ)っている時(とき)に、白(しろ)い珠(たま)を神様(かみさま)から授(さず)かる夢(ゆめ)を見(み)せてやりました。御存(ごぞん)じの通(とお)り、白(しろ)い珠(たま)はつまり男(おとこ)の児(こ)の徴号(しるし)なのでございまして……。
すると、何となく、『よろしい‼』というような一種の応現(しるし)というのか確信というのか私にはよく解らないが、ある瞬間が私のうちに来るのです。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
提灯(しるし)を持っているほうは、海部同心の安井民右衛門(たみえもん)と土岐(とき)鉄馬のふたり。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
樣子(やうす)あつて云ひかはせし、夫の名は申されぬが、わたし故に騷動起り、その場へ立合ひ手疵(てきず)を負ひ、一旦本復(ほんぷく)あつたれど、この頃はしきりに痛み、いろ/\介抱盡せども效(しるし)なく、立寄る方(かた)も旅の空
近松半二の死 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
いやまぎれない菊水の旗幟(しるし)がすぐわかった。で、正季たちは、ふもとの西国街道で駒をおりて待っていた。——近くにある破(や)れ築土(ついじ)は、水無瀬(みなせ)ノ宮の址(あと)らしく「伊勢物語」に
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とすれば、米を喰いつづけて生きた標印(しるし)を、木牌一つに残したく思う祈願は人人から消えぬだろう。
「左様(さやう)、何人(なんびと)か罪の悩を抱(いだ)かぬ心を有(も)つでせうか」と篠田は飛び行く小鳥の影を見送りつゝ「けれど、悩はやがて慰に進む勝利の標幟(しるし)ではないでせうか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
千度(ちたび)乙女の恋を試み、千度乙女に成功した、俺は云う! 乙女は弱く果敢(はかな)いものの世にまたとなき宜(よ)き標本(しるし)と! (女子を見て)弱き乙女のお前の心も、これで三度試みた。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
欅(けやき)の板に「大勘(だいかん)」と書いて、表に打ってある標札(しるし)をたしかめながら——実は海部代官所で所も内状も調べてきてはいるのだが——どこまでも不案内の渡り者らしく装って
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて、心着くと標示(しるし)は萌黄(もえぎ)で、この電車は浅草行。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その、燃えるような緑の髪も、惨苦と迫害の標章(しるし)でのうて、なんであろう。そもじは、ネルチンスクの銅山にまで流れていき、髪にそのような、中毒が現われるまで、つらい勤めを続けたのであろう。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「他にどこか、これという特徴(しるし)があったか」
賈后と小吏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
いっそ不景気の現象(しるし)ですと、茶屋奉公の昔から、胸間に欝積した金玉の名論を洪水(おおみず)の如く噴出されて、貞之進はそうかそうかとただ点頭(うなず)いて居たが、それでも小歌という好児が御在ますと
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
浩以為(おもえ)らくまさに隣国嬪嬙(ひんしょう)を貢する者あるべし、明年姚興(ようこう)果して来り女を献ず〉すなわち白兎は色皙の別嬪が来る瑞兆(しるし)で、孝子の所へも来る由見え
二十五日、内侍所と璽(しるし)の御箱(おんはこ)をお迎えに、鳥羽に公卿たちがお迎えに出た。
ただ、濃い眉、ふとい鼻ばしら、嬰児(あかご)の拳(こぶし)大もある喉(のんど)の男性(おとこ)の甲状腺(しるし)——それだけは母のものではない、強(し)いて血液の先をたずねれば、大曾祖父(おおそうそふ)源義家のあらわれかもしれない。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雁(がん)これを見ればまづ二三羽(ば)こゝにをりて己(おのれ)まづ求食(あさり)、さて糞(ふん)をのこして喰(しよく)ある処の目(しるし)とす、俚言(りげん)にこれを雁(がん)の代見立(しろみたて)といふ。雁のかくするは友鳥(ともどり)を集(つど)ひきたりて、かれにも求食(あさら)せんとて也。
尖つた三角型の洒落た石で、舞妓(まひこ)の振袖にも包まれさうな小さな石碑(しるし)である。
世の果(はて)は何處(いづこ)とも知らざれば、亡(な)き人の碑(しるし)にも萬代(よろづよ)かけし小松殿内府の墳墓(ふんぼ)、見上ぐるばかりの石の面に彫り刻みたる淨蓮大禪門の五字、金泥(きんでい)の色(いろ)洗(あら)ひし如く猶ほ鮮(あざやか)なり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
かねて此の山に栖(す)みつるとは聞きしかど、まさに其の音を聞きしといふ人もなきに、こよひのやどりまことに五七滅罪生善(めつざいしやうぜん)の祥(しるし)なるや。かの鳥は清浄(しやうじやう)の地(ち)をえらみてすめるよしなり。
これらの相談中に日本とかあるいは欧米の風俗のように幾許(いくばく)かの結納(しるし)を納めて、そうして財産はどれだけ持って来るとか、あるいは何箇の荷物を贈るというような事は決してやらないです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「いえいえ、小馬田(こまた)のご領内に住むただの使い屋にすぎません。ほかにも御用をおびて、あちこち駈けずり廻っている者。お花判(しるし)をいただいたら、さっそくこれでお別れを」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
法皇の禁軍(まもりのつはもの)の號衣(しるし)を着たる、少(わか)く美しき士官は我手を握りぬ。人々さま/″\の事を問ふに、我は臆することなく答へつ。その詞に、人々或は譽めそやし、或は高く笑ひぬ。
汝の言葉はみな我にとりて愛のなつかしき表象(しるし)なり 二五—二七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そのほかはすべて雨ざらしで鳥や獣に食われるのだろう、手や足がちぎれていたり、また記標(しるし)に取られたか、首さえもないのが多い。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
イエルサレムメの跛者(あしなへ)の善は一のI(イ)にて記(しる)され、一のM(エムメ)はその惡の記號(しるし)となりて見ゆべし 一二七—一二九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
裏返(うらかへ)して綴(とぢ)たる帳面一册あり披(ひら)き見るに姑(しうとめ)が日々の容體大小便の度數迄委敷(くはしく)記載(しるし)てありしとて即(すなは)ち是へ差出せり仍(よつ)て披き見るに其の深切に認め有事此一條を以ても菊が姑を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これは疑いもない向う鉢巻を致しました証跡(しるし)で……つまり丁半や花札を引きまする場合には、男でも鬢の乱れを止めるために幅広う鉢巻を致しまする者が多いので
目覺めたと云ふ證徴(しるし)を持つた樣な新らしい仕事は一とつとして出來上つてはゐなかつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
四歳のときにひどく海を嫌ったのがその讖(しるし)をなしたとでも云うのかもしれない。
海水浴 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)