“しるし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シルシ
語句割合
21.0%
9.9%
9.9%
8.4%
7.3%
5.6%
首級5.6%
記号3.4%
1.9%
効験1.7%
(他:119)25.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十月のはじめ、外出先から私が帰つて来て門の郵便箱を開けて見ますと、そこにまた三角形のしるしのついた手紙が来ています。
殺人鬼 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
また、在町ざいまちの表通りを見ても、店の看板、提灯ちょうちん行灯あんどん等のしるしにも、絶えて片仮名を用いず。
小学教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
……炭火毒にあたって死んだしるしはね、身体中が薄桃色になって、これが死んだとは思えないようになっているものなんですぜ。
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
結局翼なくても飛ぶと讃えてこれを省いたと、蛇や蜥蜴に似ながら飛行自在なるしるしに翼を添えたと趣は異にして、その意は一なりだ。
そのなすところが何であろうとも、かかるしるしを、星のひとみを、有している者ならば、すべて皆尊むべきではないか。
マーキュ いかにも。それ、その日時計ひどけい淫亂すけべい午過ひるすぎしるしとゞいてゐるわさ。
しるしなきものおもはずは一坏ひとつきにごれるさけむべくあるらし 〔巻三・三三八〕 大伴旅人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「天ざかるひなやつこ天人あめびとく恋すらば生けるしるしあり」(巻十八・四〇八二)という家持の用例もある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
安達ヶ原でないしるしには、出刃も焼火箸やけひばしも持っていない、渋団扇しぶうちわで松葉をいぶしていません。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「これまでわずらったことがあっても今度のように元気のないことはえが、矢張やっぱり長くないしるしであるらしい」
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
天のさまの測り難きは常の事なれば喞つべからず、されど今斯程に雨ふるは却つて明日の晴れぬべきしるしならんも知るべからず
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
それは貞節の神秘なしるしで、バルバロッサをしてイコニオムの発掘の中に見い出されたディアナに恋せしめたところのものである。
「これは龍耳老人へおくる弦之丞の寸志じゃ。帰国の上は、何もいわずに、孫兵衛の首級しるしにそえて、お渡しいたしてくれい」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして彼の消極戦術の非を鳴らし、もし自分に一軍をかすならば江北へ押し渡って、魏帝曹丕そうひ首級しるしをあげて見せる。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どこへ運送が来ただ?」と、祖父は、ひよつと若い衆連に取つて食はれるやうなことのないやうにと、大きい甜瓜に記号しるしをしながら、きき咎めた。
警部の手にした、魚の血によごれた布テープには、そも、いかなる記号しるしがついていたのだろうか。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
また、吉良のしるしをあげて、泉岳寺へひき揚げてくる途中、金杉橋までくると、内蔵助が、十郎左をさし招いて、
べんがら炬燵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お覚悟かくごなさい! 太刀取たちとりの民蔵たみぞうが君命によってみしるしはもうしうけた」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その七十日を過ぎてもやはり効験しるしがなかったらば、流罪はおろか、死罪獄門も厭わない。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
雨乞いの祈祷はの刻(午前十時)を過ぎても何の効験しるしも見えなかった。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
椰子の葉は勝利のしるし、中空高く、梢の敷桁となつて、光明の中に搖動ゆれうごきつつ廣がり、しかも其自由の重みに項垂うなだれる。
椰子の樹 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
自分はまだその上に組長のしるしをつけた自分までが、五六人の生徒にとり囲まれて、先生の誤訳を得々とくとくと指摘していたと云う事実すら
毛利先生 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
目をわが主にむけたるに、主は喜悦よろこび休徴しるしをもて、顏にあらはれしわが願ひの求むるところを許したまへり 八五—八七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ああ。隠微かくれたるに鑒給みたまう神様よ。どうぞどうぞ聖名みなあがめさせ給え。み休徴しるしを地上にあらわし給え…………
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いろ/\人手を殖やして、締りや夜廻りを嚴重にしましたが、結局は何のしるしもありません。
初めは詞もてさま/″\に誘ひたれどそのしるしなかりき。
一寸ちよつと、おくださいましよ。……折角せつかくつてまゐつたんですから、ばかり、記念しるしに。……」
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
塔婆、石碑の影もない、墓の根に、ただ丘に添って、一樹の記念しるしの松が、霧を含んで立っている。
蓮太郎は柱に倚凭よりかゝり乍ら、何の文字とも象徴しるしとも解らないやうなものが土の上に画かれるのを眺め入つて居た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
本来は支那の——この国のもっとも尊い色であるはずの黄土の国色も、今は、善良な民の眼をふるえ上がらせる、悪鬼の象徴しるしになっていた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
したがって、文字を解することは、かえって生命力衰退の徴候しるしとしてしりぞけられた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
それは業病ごふびやう徴候しるしだよ、そのまだらなところは、突いても切つても痛くはない筈だ、——それから、その人の鼻の穴の中を見なかつたかな、——たゞれがあるかも知れない
わが導者このとき我をとらへ、ことばと手と表示しるしをもてわがはぎわが目をうや/\しからしめ 四九—五一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ベルナルドは、我をして仰がしめんとて、微笑ほゝゑみつゝ表示しるしを我に與へしかど、我は自らはやその思ふごとくなしゐたり 四九—五一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
死んだしるしに衣類を脱ぎ捨て帯を縛り附けて置いたものだろうと、旧来奉公していた者ゆえ、主人始め家内も娘も皆心配致し、涙をこぼして捜しましたが
いよいよとなると、なお聞きたい、それさえ聞いたら、亡くなった母親の顔も見えよう、とあせり出して、山寺にありました、母の墓をゆすぶって、しるしの松に耳をあてて聞きました、松風の声ばかり。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ほほう、物が欲しい。」吉良は、にこにこして、「子供よのう。必ずともに寵愛いたす——との証拠しるしにな。面白いぞ。して何が所望しょもうじゃ。」
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
割符わりふとはうり二つを取ってつけてくらべるための証拠しるしである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なげくは愛情まごゝろふかしるしぢゃが、あまりにふかなげくは分別ふんべつたらはぬしるしぢゃ。
痩せた、透徹るほど蒼白い、鼻筋の見事に通つた、険のある眼の心持吊つた——左褄とつた昔を忍ばせる細面の小造だけにずうつと若く見えるが、四十を越したしるしは額の小皺に争はれない。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
番地官名など細かに肩書きして姓名数多あまたしるせる上に、鉛筆にてさまざまの符号しるしつけたり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
読むでもなくつい見ていますと、ちょいとした文句が、こう妙に胸に響くような心地こころもちがしましてね——それはこのほんにも符号しるしをつけて置きましたが——それから知己しるべうちに越しましても、時々読んでいました。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
すぐに其は対手あいてに向ふ、当方の心持こころもちしるし相成あいなる。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かならずこのしるしにあらむ
(五)まじない、神水じんずい等のしるしの信頼すべからざること。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
この事情を聞きて、妾は同情の念とどめがたく、典獄の巡回あるごとに、その状を具陳して、婦人のために寃枉えんおうを訴えけるに、そのしるしなりしやいなやは知らねど、妾が三重県に移りけるのち、婦人は果して無罪の宣告を受けたりとの吉報きっぽうを耳にしき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
イエスをわたす者かれらにしるしをなしてひけるは我が接吻くちづけする者はそれなり之をとらへよ。
接吻 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
「そうだわ。此処に何かしるしがあるんじゃないの。これはまた妙ね」
リギ山上の一夜 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
これ英国で竜を皇旗とする始まりで、先皇エドワード七世が竜を皇太子の徽章しるしと定めた。
灰色の毛皮の敷物のはしを車の後に垂れて、横縞よこじま華麗はなやかなる浮波織ふはおり蔽膝ひざかけして、提灯ちようちん徽章しるしはTの花文字を二個ふたつ組合せたるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かの光線は、星座となりつゝ、火星の深處ふかみに、象限しやうげん相結びて圓の中に造るその貴き標識しるしをつくれり 一〇〇—一〇二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
舳に金色きんしよくに光つてゐるうを標識しるしが附いてゐるからの名である。
しかはあれ、この目標しるしは多く見られて少しくさとらるゝものなれば、我は何故にかゝる方法てだての最もふさはしかりしやを告ぐべし 六一—六三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
驚いて逃げ帰ったような訳で、すると翌朝よくちょう万年橋の上に重三郎の袴や帯脇差と印籠が捨てゝ有ったから、重三郎はその侍に大切な御刀を取られ、言い訳なさに万年橋へ目標しるしを残して身を投げて死んだろうかと云うのは
我は影によりて焔をいよ/\赤く見えしめ、また多くの魂のかゝる表徴しるしにのみ心をとめつゝ行くを見たり 七—九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「そのたての一眼は、愛染明王の淫眼といって、ことに意味深い表徴しるしになっている」
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
滊船きせん安全あんぜん航行かうかう表章しるしとなるべき白色檣燈はくしよくしやうとう微塵みじんくだけて
そりやあ成程なるほど人爵の一つでせう。瀬川君なぞに言はせたら価値ねうちの無いものでせう。然し金牌は表章しるしです。表章が何も難有ありがたくは無い。唯其意味に価値ねうちがある。はゝゝゝゝ、まあ左様さうぢや有ますまいか。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
紺とはいえど汗にめ風にかわりて異な色になりし上、幾たびか洗いすすがれたるためそれとしも見えず、えり記印しるしの字さえおぼろげとなりし絆纏はんてんを着て
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
紺とはいへど汗に褪め風にかはりて異な色になりし上、幾度か洗ひすゝがれたるため其としも見えず、襟の記印しるしの字さへ朧気となりし絆纏を着て、補綴つぎのあたりし古股引を穿きたる男の
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)