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徴
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しるし
ふりがな文庫
“
徴
(
しるし
)” の例文
事によつたら、骸骨か、何か人生のはかなさを示す
徴
(
しるし
)
がなくては宴会が出来なかつた、古代埃及人程ひどく凝り性なのかもしれない。
射的場と墓地
(新字旧仮名)
/
シャルル・ピエール・ボードレール
(著)
結局翼なくても飛ぶと讃えてこれを省いたと、蛇や蜥蜴に似ながら飛行自在なる
徴
(
しるし
)
に翼を添えたと趣は異にして、その意は一なりだ。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
額
(
ひたい
)
の真中の、永い間掻き消されていた、活動的な鋭い知能の
徴
(
しるし
)
が、彼にかぶさっていた黒い霧を押し分けてだんだんと現れて来た。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
我はベアトリーチェにむかへり、この時淑女わが語らざるにはやくも聞きて、我に一の
徴
(
しるし
)
を與へ、わが願ひの翼を伸ばしき 七〇—七二
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
それから村で水莽草の毒に中る者のあった時には、御馳走を供えて祝を祭ると
徴
(
しるし
)
があった。そして、十年あまりして祝の母が亡くなった。
水莽草
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
洗ったように綺麗で、砂一つついていない。古い物なら腐ってもいようし、色も少しは変っていよう。
新
(
あら
)
なら新でまたその
徴
(
しるし
)
があるはず。
釘抜藤吉捕物覚書:06 巷説蒲鉾供養
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
……炭火毒にあたって死んだ
徴
(
しるし
)
はね、身体中が薄桃色になって、これが死んだとは思えないようになっているものなんですぜ。
顎十郎捕物帳:06 三人目
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
何故って、毒を嚥下させるためには、喉を引絞めるとか、鼻を押えなければならないもので、
随
(
したが
)
ってそこに何か
徴
(
しるし
)
が残らねばならんわけです。
見開いた眼
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
彼れはこの小さな
徴
(
しるし
)
にも自然の力の大きさと強さとを感受した。而して彼れは今更のやうに立停つてあたりを見まはした。
幻想
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
抑
(
そもそ
)
も電車の切符は、片道七銭也の受取であるか、それとも電車に乗る権利を与えたことを認めた一つの
徴
(
しるし
)
であるか、之が君等に判然とわかるか。
夢の殺人
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
僕がまだ子供で彗星を見た時分には、
田舎
(
ゐなか
)
の事でまだまだ開けなかつたものだから、村の人間がしきりと
箒星
(
はうきぼし
)
は凶事の
徴
(
しるし
)
だと云つて心配するのさ。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
こゝにも亦た因果の道法を隠微の
中
(
うち
)
に示顕して至妙に達せり。月水の絶たるは、仙童に
訊
(
と
)
ふまでもなく懐胎の
徴
(
しるし
)
なり。
処女の純潔を論ず:(富山洞伏姫の一例の観察)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
ところが案のじょう、このとおり
徴
(
しるし
)
があった! ロージャ、ロージャ、お前どこへ行くの? どこか旅にでも行くの?
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
女は自分の体が外の庭に出て腰を掛けていて、その顔が青ざめ、目が泣き
腫
(
は
)
れているのを見るように思う。しかしこの悲哀の
徴
(
しるし
)
はただ上辺ばかりである。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
正しき美は自然への信頼の
徴
(
しるし
)
である。ちょうど一切を神に委ねる時、心の平和が契られるのと同じである。真に何事かをなし得るのはただ自然のみである。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
ダルマヌタはユダヤ的環境の地方であったとみえ、早速パリサイ人が出てイエスに議論を吹きかけ、かつ彼を試みて天よりの
徴
(
しるし
)
を求めました(八の一一)。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
別れてゆく沢田の未来にとつて何となく幸運の
徴
(
しるし
)
のやうに思はれたからである。神様が沢田と共について行つて下さるやうな安心を、ふとその時道夫は得た。
喜びと悲しみの熱涙
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
望みは遠し、されど光のごとく明るし。熱血、身うちに
躍
(
おど
)
る、これわが健康の
徴
(
しるし
)
ならずや。みな君が
賜
(
たまもの
)
なり。
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
中世の社会組織においては、いわゆる在名の使用は、ある領地を持っていることの
徴
(
しるし
)
であった。従って単純なる土民は、苗字というものはなかったはずである。
家の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
さて、三種の神器は君主の
徴
(
しるし
)
でござります。君主の還都なくば、神器も又還都あるべからずと思います。
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
懶
(
ものう
)
い、爛れた眼をして、灰色の毛を垂らしてゐる。そして犬の達し得る、極度の老年に達したと云ふあらゆる
徴
(
しるし
)
が現れてゐる。わしは犬をやさしく叩いてやつた。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
辛うじて文明の皮をかぶってる自然の大なる野蛮な生活の、普通の人の眼にはつかないほどのわずかな
徴
(
しるし
)
を見ただけで、その自然の生活全部が彼の眼に映じてきた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
マッセナは敵兵増加の
徴
(
しるし
)
に不安を抱き、同日は狼狽してこのまま止まるは危険な旨を具申している。
戦争史大観
(新字新仮名)
/
石原莞爾
(著)
そして、この「必然と自由の
等置
(
とうち
)
」こそ、彼らが天才であることの
徴
(
しるし
)
でなくてなんであろうか?
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
僕は独逸文学のことは好く知らずにしまうが、その中には日出写生のいい文章は幾つかあるであろう。山上の美しい日の出は、いわば
劫初
(
ごうしょ
)
の気持であり、開運の
徴
(
しるし
)
でもある。
リギ山上の一夜
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
千葉を遁げる時からたしなんだ、いざという時の
二品
(
ふたしな
)
を添えて、何ですか、三題話のようですが、
凄
(
すご
)
いでしょう。……事実なんです。貞操の
徴
(
しるし
)
と、女の生命とを預けるんだ。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
○同年閏十月十九日大政□臣を
贈
(
おく
)
らる。しかれば此 御神の御位は正一位大政□臣としるべし。
後年
(
こうねん
)
屡
(
しば/\
)
神灵
(
しんれい
)
の
赫々
(
かく/\
)
たる
徴
(
しるし
)
ありしによりて、 天満宮、或 自在天神の
贈称
(
さうしよう
)
あり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
深遠な推論は
眩迷
(
げんめい
)
をきたすものである。司教が神秘な考察のうちに頭をつき込んだ
徴
(
しるし
)
は何もない。使徒たる者は大胆なるもいい、しかし司教たるものは小心でなければならない。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
……固疾に
絡
(
から
)
まる
哀
(
かな
)
しい夢をみたので、彼の心は
茫然
(
ぼうぜん
)
としていたが、くるんでいる毛布の妙に生暖かいのがまた雨の近い
徴
(
しるし
)
のように想えた。暫くすると、また明け方の夢が現れた。
冬日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
ふり返ると、暗い闇を通して、そこあたりと覚しきところにはたして
火光
(
かこう
)
があざやかに照って見えた。山火事! 赤城の山火事! 関東平野に寒い寒い冬が来たという
徴
(
しるし
)
であった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
あらぬかを
試
(
こころみ
)
しに、
曾
(
かつ
)
てその人の
余所
(
よそ
)
に泣ける
徴
(
しるし
)
もあらざりければ、さすがに恨は忘られしかと、それには心安きにつけて、
諸共
(
もろとも
)
に今は我をも思はでや、さては
何処
(
いづこ
)
に
如何
(
いか
)
にしてなど
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
反
蒋介石
(
しょうかいせき
)
派の激化と、東支鉄にからんだ
露支
(
ロシ
)
間の葛藤、南京政府の幣制の改革にたいする商人の思惑は、対支商談におけるワシントン政府の経済政策が、帝国主義戦争の一つの
徴
(
しるし
)
として
大阪万華鏡
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
フアン、ヰンクル夫人の名を聞く度、リツプは相替らず頭を掉り、肩を聳かし、
空目
(
そらめ
)
を遣ひますが、この身振は彼の自分の運命を諦めた
徴
(
しるし
)
とも、又た圧制を脱れた喜の徴とも取られませう。
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
私は彼の顏に幸福の
徴
(
しるし
)
を讀まうと見上げた。それは熱し、輝いてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
或東かぜの強い夜、(それは僕には善い
徴
(
しるし
)
だった)僕は地下室を抜けて往来へ出、或老人を尋ねることにした。彼は或聖書会社の屋根裏にたった一人小使いをしながら、祈祷や読書に精進していた。
歯車
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
只何だかわからないという
徴
(
しるし
)
に、頭を軽く左右に振って見せた。けれども青眼爺は何だか心配で
堪
(
たま
)
らぬように、じっと藍丸王の顔を見つめていた。そうして重ねて一層叮嚀な言葉で恐る恐る尋ねた。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
持てるヂュウスの
徴
(
しるし
)
とし畏怖にうたれて立ちとまる。
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
「いや、毒なら身體に
徴
(
しるし
)
がある。お前も『檢屍辨覽』でも讀むが宜い、——唇にも、舌にも、
眼瞼
(
まぶた
)
にも、
皮膚
(
はだ
)
にも何んの
變化
(
かはり
)
のない毒はない筈だ。本道(内科醫)が二人で立會つて診て、何んの變りもないと言つてゐる」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ああただ
秘
(
ひ
)
めよ、
御
(
み
)
くるすの
愛
(
あい
)
の
徴
(
しるし
)
を。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
歓迎いたす
徴
(
しるし
)
ではございますまいか。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
異性の
徴
(
しるし
)
は髮の毛にのみめだちぬ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
シパといひならふ舌もなほその數これに及びがたし、若しこの事の
徴
(
しるし
)
、
證
(
あかし
)
をほしと思はゞたゞ慾深き我等の胸を思ひいづべし 六一—六三
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
格別これといって情愛の
徴
(
しるし
)
を見せはしなかったが、始終
軟
(
やわ
)
らかい目色で自分たちを見守ってくれていた父のほうだった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
徴
(
しるし
)
と奇蹟とを行なって人々を惑わし、なしうべくば、真の選民たる汝らをも惑わそうとするだろう。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
これによればツクシはもと標木の義であったものが、転じて広く境の
徴
(
しるし
)
を意味するに至ったらしい。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
古スウェーデンでもキリスト教を奉ずる王に強いて馬肉を食わせ、その脱教の
徴
(
しるし
)
としたという。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
○同年閏十月十九日大政□臣を
贈
(
おく
)
らる。しかれば此 御神の御位は正一位大政□臣としるべし。
後年
(
こうねん
)
屡
(
しば/\
)
神灵
(
しんれい
)
の
赫々
(
かく/\
)
たる
徴
(
しるし
)
ありしによりて、 天満宮、或 自在天神の
贈称
(
さうしよう
)
あり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「マーメイド・タバンの
酌婦
(
ウエートレス
)
には、お前から俺の言葉を伝えておいてくれ——玉虫を見つけたら旅先から届けるからに、俺の君に寄する複雑な愛の
徴
(
しるし
)
として胸飾りにしてくれ——と。」
吊籠と月光と
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
天井から「
戎
(
えびす
)
」または「
大黒
(
だいこく
)
」と呼ぶ
欅作
(
けやきづく
)
りの大きな
釣手
(
つりて
)
を下げ、それに
自在
(
じざい
)
を掛けます。その
鉤
(
かぎ
)
の彫りに実に見事なものがあります。好んで水に
因
(
ちな
)
んだものや、吉祥の
徴
(
しるし
)
を選びます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
或東かぜの強い夜、(それは僕には善い
徴
(
しるし
)
だつた。)僕は地下室を抜けて往来へ出、或老人を尋ねることにした。彼は或聖書会社の屋根裏にたつた一人小使ひをしながら、祈祷や読書に
精進
(
しやうじん
)
してゐた。
歯車
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
徴
常用漢字
中学
部首:⼻
14画
“徴”を含む語句
象徴
徴候
徴発
特徴
表徴
徴兵
新徴組
符徴
魏徴
前徴
徴収
徴士
徴候発作
凶徴
紫徴中台
徴集
象徴派
象徴的
休徴
徴兵検査
...