“驗(しるし)” の例文
新字:験
初めは詞もてさま/″\に誘ひたれどその驗(しるし)なかりき。次には戲(たはぶれ)のやうにもてなして、掻き抱きたれど、女はいち早く擦(す)り脱(ぬ)けたり。
かれ曙立(あけたつ)の王に科(おほ)せて、うけひ白さしむらく一〇、「この大神を拜むによりて、誠(まこと)に驗(しるし)あらば、この鷺(さぎ)の巣(す)の池一一の樹に住める鷺を、うけひ落ちよ」
金(かね)の力(ちから)と權威(けんゐ)を以(もつ)て、見事(みごと)に此(こ)の女(もの)祕藏(ひざう)し見(み)すべし、再(ふたゝ)び是(これ)を阿母(おふくろ)の胎内(たいない)に戻(もど)すことこそ叶(かな)はずとも、などか其(そ)の術(すべ)のなからんや、いで立處(たちどころ)に驗(しるし)を見(み)せう。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
盡し神佛(かみほとけ)へも祈りしかど其驗(しるし)も甞(かつ)てなく後には半身(はんしん)叶はず腰も立ねば三度の食(しよく)さへ人手を借(かり)るほどなれどもお菊は少しも怠らず晝は終日(ひねもす)賃仕事(ちんしごと)或ひは注(すゝ)ぎ洗濯(せんたく)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いろ/\人手を殖やして、締りや夜廻りを嚴重にしましたが、結局は何の驗(しるし)もありません。
將(はた)又三月初より又々持病相起、幾度繰返し灸治(きうち)いたし候得共一向其驗(しるし)も不二相見一候間、自分は不治之症(しやう)と明め居候處、不レ※も當月六日 主上より侍醫並獨逸醫ホフマンと申者御遣に相成候付
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
蒼雲を天のほがらに戴きて大き歌よまば生ける驗(しるし)あり
長塚節歌集:2 中 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勵(はげ)まし少しも早く全快(ぜんくわい)爲(なし)給へとて種々に勞(いたは)りけれども終(つひ)に介抱の驗(しるし)もなく母は正徳元年七月二十一日病死し菩提所(ぼだいしよ)不動院(ふどうゐん)に葬(はうむ)り月堂(げつだう)貞飾(ていしよく)信女(しんによ)と云戒名に哀(あはれ)を止めけり村方にては九助の孝心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
打我が推察(すゐさつ)に違ず此盜賊は吉三郎なり其譯(そのわけ)は先達(さきだつ)て我が方へ尋(たづ)ね來りし時我樣子を見るに如何にも見苦敷(みぐるしき)體(てい)にて店の者へ對し我も恥入處(はぢいるところ)なり斯(かく)働(はたら)きのなき者は聟(むこ)に爲難(しがた)しと思ひ未(いま)だ約束の驗(しるし)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)