金銀の衣裳きんぎんのいしょう
昔或る処に貧乏な母娘がありました、お父様は早くになくなつて今はお母様と娘のお玉と二人切でしたが何しろ貧乏なので其日其日の喰べるものもありません、只お母様が毎日毎日他所へ行つて着物の洗ぎ洗濯や針仕事をしていくらかの賃金を貰つて来てやつと細い煙 …
作品に特徴的な語句
あば あば 此家このうち きり 家中うちぢう いへ 住居すまゐ 此様このやう 何様どう 北国ほつこく いで 昨夜さくや 左様さう すす 香気にほひ まばゆ あが なに 近所きんしよ かすか ひま 金色きんいろ とら 這入はひ みな うかが 見張みはり 縹緻きりやう 真暗まつくら すぐ 一時いちじ 今年こんねん 其中そのなか なん 可愛かあい ねむ 真面まとも ほそ 何処どこ あく かひこ すべ 襤褸ぼろ 体徴しるし たれ 他所よそ なが 不図ふと 嗚呼ああ とこ あて なさけ 情無なさけな うち 最早もはや もと その きさき この ただ 母娘おやこ くさむら 其夜そのよ 盗人ぬすびと 其中そのうち 年月としつき