トップ
>
証
>
しるし
ふりがな文庫
“
証
(
しるし
)” の例文
旧字:
證
お続けなさる体です。ただ後日の
証
(
しるし
)
に
一札
(
いっさつ
)
お貰い申しておけば、一つは励み、一つはわしも後ろ楯の
的
(
まと
)
が立つというものでごぜえます
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの古き大津絵が
隈
(
くま
)
なく美しいのは、救いが果されている
証
(
しるし
)
ではないか。美しい大津絵の凡ては、自然の力の恵みを受けているのである。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
それは人の女房になった
証
(
しるし
)
だということですが、ラサ府ではそれがはっきりと分っていない。結婚しない人でもやはり飾りに用いて居るです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
この謀ずっと古くよりあった
証
(
しるし
)
は『左伝』に
城濮
(
じょうぼく
)
の戦に晋の
胥臣
(
しょしん
)
虎皮を馬に
蒙
(
かぶ
)
せて敵の軍馬を驚かし大勝したとある。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
信幸、家康の許へ行くと、家康喜んで、安房守が片手を折りつる心地するよ、
軍
(
いくさ
)
に勝ちたくば信州をやる
証
(
しるし
)
ぞと云って刀の
下緒
(
さげお
)
のはしを切って呉れた。
真田幸村
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
フランドルの美術よ、
汝
(
なんじ
)
こそはよく
彼
(
か
)
の淫婦を知りたれ。よくかの乳房赤く肉
逞
(
たくま
)
しき淫婦を愛したれ。フランドルの美術の傑作はいづれかその
証
(
しるし
)
ならざる。
浮世絵の鑑賞
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「これまで
煩
(
わず
)
らったことが
有
(
あっ
)
ても今度のように元気のないことは
無
(
ね
)
えが、
矢張
(
やっぱ
)
り長くない
証
(
しるし
)
であるらしい」
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
蓬莱
(
ほうらい
)
へ使いをやってただ
証
(
しるし
)
の
簪
(
かんざし
)
だけ得た帝は飽き足らなかったであろう、これは同じ人ではないが
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
これと向ひあいに腰かけてゐるのが今大声をだしたので、年は四十位に見えるが、其
赤
(
あか
)
ら
顔
(
がほ
)
は酒を呑む
証
(
しるし
)
なのであらう、見るから
逞
(
たくま
)
しそうな、そして其の袖口の赤ひのや
夜汽車
(新字旧仮名)
/
尾崎放哉
(著)
安達ヶ原でない
証
(
しるし
)
には、出刃も
焼火箸
(
やけひばし
)
も持っていない、
渋団扇
(
しぶうちわ
)
で松葉を
燻
(
いぶ
)
していません。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今回和平の
証
(
しるし
)
にと氏政殿の第三のお妹、
吾妻姫
(
あづまひめ
)
を申し受けて若殿の奥方と定めましたところ、この頃に至ってその奥方様不思議の物の怪に襲われ給い、お寝間を一つにするや否や
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「いや、それは長年油を売った
証
(
しるし
)
です。矢っ張り争われないものですよ」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「失礼ですが、これはお礼のお
証
(
しるし
)
に」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
頭のわるい
証
(
しるし
)
なり。(五月十五日)
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
得るにおいては、後日のため、当方よりも何かのお
証
(
しるし
)
を——とて、実は、秀吉様より御朱印をおあずかりいたして来たような次第で
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なお妙な風があって大学の生徒になった時分にはその
証
(
しるし
)
として
薪
(
たきぎ
)
をラサ府へもらいに行くのです。これがすなわち
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
フランドルの美術よ、
汝
(
なんじ
)
こそはよく
彼
(
か
)
の
淫婦
(
いんぷ
)
を知りたれ。よくかの
乳房
(
ちぶさ
)
赤く肉
逞
(
たくま
)
しき淫婦を愛したれ。フランドルの美術の傑作はいづれかその
証
(
しるし
)
ならざる。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
我空
(
がくう
)
」は仏説であった。亡我の境こそは浄土である。器に見らるる
没我
(
ぼつが
)
は、救われている
証
(
しるし
)
である。救われたる器、それをこそ美しき作と呼ぶのである。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「一つ
証
(
しるし
)
の為めに手を挙げて見せて下さい」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
青州の野についてみると、賊数万の軍は、すべて黄の旗と、
八卦
(
はっけ
)
の文を
証
(
しるし
)
とした
幡
(
はん
)
をかざして、その勢い、天日をも
侮
(
あなど
)
っていた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其布
(
それ
)
をもらったのがすなわち仮入学を許された
証
(
しるし
)
なんです。しかしチベットでは尊いラマに遇いに行くと、こんな赤い
切布
(
きれ
)
を首にかけるのが例になって居ります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
それは美からものを見ない
証
(
しるし
)
である。雑器だからと云って棄て去るのは、見方に自由がなく見識がないことを告白する。あの大茶人は雑器から「大名物」を見出したではないか。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
後日の軍功の
証
(
しるし
)
にもなることだった。そして一つの突破口をそこに見ると、谷にみちていたほかの軍勢もぞくぞく地下の
蟻道
(
ありみち
)
をつづいて行った。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
我への執念著しく、自己への
煩悩
(
ぼんのう
)
に沈む今日、かかる器を見て救われる思いがあるではないか。「我空」は仏説であった。忘我の境こそは浄土である。器に見らるる没我は救われている
証
(
しるし
)
である。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
むすんだこと故、途中で求めた品でござるが、この
杜鵑
(
とけん
)
と
銘
(
なづ
)
けた一管を、お誓いの
証
(
しるし
)
がわりに、お持ちくださるまいか
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おれはその
証
(
しるし
)
にもと思って今筆を取っているのだ。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
と
観
(
み
)
ているに、容易に、その気はいもない。越後へ入れてあるたくさんな密偵からも、そのうごきの見えない
証
(
しるし
)
ばかり報じてくる。さてはと、信玄は
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
郷土のものである
証
(
しるし
)
であります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
とのみで、わずかに斬った髪の毛だけを
証
(
しるし
)
に見せ、死骸も自分で始末したと称して、多くを語らなかった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「では、大した策でもありませんが、あなたの
帷幕
(
いばく
)
の一員となった
証
(
しるし
)
に愚見を一つのべてみます。……がしかし私の言は、恐らく将軍のお心にはあわないでしょう」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや待て。——東渓村の山上には、天下の
奇樹
(
きじゅ
)
といわれる有名な
大紅葉
(
おおもみじ
)
がある。あの葉は他に類のないものだ。おのおのは、相違なく巡邏した
証
(
しるし
)
として、そのもみじ葉を
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
左京之介はその場では読まないで、封皮の
黒印
(
こくいん
)
だけを切り破り、
証
(
しるし
)
を与えてふたりへ返した。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
骸骨
(
がいこつ
)
のように鼻の穴が大きく又八のほうから見える。
凡
(
ただ
)
の浪人の
垢
(
あか
)
じみた着物を着て、その胸に、
普化禅師
(
ふけぜんじ
)
の末弟という
証
(
しるし
)
ばかりに黒い
袈裟
(
けさ
)
をつけているに過ぎないのである。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いずれにせよ、池田入道勝入は、秀吉へ味方を約した手始めに——まだ何ら秀吉から、催促もないうちに、
加担
(
かたん
)
第一歩の
証
(
しるし
)
を、あッさり犬山攻略という手みやげで西軍へ示した。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その御放言こそ、すでに死を急がれておる
証
(
しるし
)
です。
帯刀
(
たてわき
)
はあくまでもお止め申しあげる。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これでいい。これを
証
(
しるし
)
に持ち帰って渡辺天蔵は討ったりと披露しておかばすもう。名だたる敵の侍なら知らず、
多寡
(
たか
)
が
乱波
(
らっぱ
)
の者ひとり、首を御実見なさろうとは仰っしゃるまい」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まさか、その石川家が断絶して、ご
姉妹
(
きょうだい
)
がみな、離散なさるとはお考えなく、ただ後日に、何かの
証
(
しるし
)
ともなろうかという親心から、なされたことではあるまいかと考えまするが……。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
万吉は
新手
(
あらて
)
の意気ごみで、道中差の
鞘
(
さや
)
を払った。お綱もまた、母のかたみであり、剣山に
辿
(
たど
)
りついた時、父の世阿弥に名のるべき唯一の
証
(
しるし
)
として、愛護してきたあの銘刀へ手をかけた。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
召捕
(
あげ
)
に来たのじゃない。十手は、奉行所の者だという
証
(
しるし
)
だけにおいたのだ。知っていることを、知っている通りにいってくれれば……そうさな、
極々
(
ごくごく
)
、軽いところで、済まそうじゃないか
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
われ明日城を出て、その
証
(
しるし
)
を明らかにその方たちの眼にも見せてやるであろう
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一日も早く、持明院統の院宣を
請
(
こ
)
い奉って逆軍でない
証
(
しるし
)
を示さぬことには
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その樹が違う。この柳生谷四
箇
(
か
)
の庄の山は、みな樹齢が
経
(
た
)
っている。これはこの国が、兵火にかかっていない証拠だ。敵の
濫伐
(
らんばつ
)
をうけていない
証
(
しるし
)
だ。また、領主や民が、
飢
(
う
)
えたことのない歴史を
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、やたらに美食を与えるのを、
武大
(
ぶだ
)
は逆に、金蓮が改心した
証
(
しるし
)
と感じて、よく喰べる。一夜、そのために、武大は夜半に苦悶しだした。今こそと、彼女は
砒霜
(
ひそう
)
の粉を
碗
(
わん
)
に
溶
(
と
)
かして、武大に飲ませた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『ふーむ。……何か
証
(
しるし
)
を持って来たかい』
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
拇印
(
ぼいん
)
を」と、彼の
証
(
しるし
)
を取って
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「明確なる御謝罪の
証
(
しるし
)
を」
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何か、
証
(
しるし
)
でも」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
証
常用漢字
小5
部首:⾔
12画
“証”を含む語句
証拠
証人
内証
保証
証明
内証事
詫証文
内証話
証言
反証
確証
手証
証跡
例証
証拠人
実証
証書
弁証法
証明書
見証
...